
俳優オダギリジョー(49)と髙石あかり(22)が14日、都内で、映画「夏の砂の上」(玉田真也監督)ティーチインイベントに出席した。
同作は、第27回上海国際映画祭コンペティション部門に日本作品として唯一招待され、23年ぶりの「審査員特別賞」を受賞している。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら小さな希望を見いだしていく姿を描く物語で、オダギリは幼い息子を亡くした喪失感から妻恵子と別居している小浦治、髙石は治と同居生活をすることになる川上優子を演じている。
客席から「これからどういう人生を歩むと思いますか」という質問に髙石は、「スタッフも再会する派、しない派で意見が分かれていて、『これが映画か~』とうれしく思っていた」と振り返った。
オダギリジョーは質問した少女の親に「いい子に育ちましたね」と話すと「会場に聞いてみたい」と提案。その結果、会場の約7割が再会する派となった。だが、玉田監督を含めた登壇者3人は再会しない派。「なかなかこうやって聞く機会はない」と髙石。オダギリジョーは「3人とも会わないだろうというパターンだったんですね」と驚きを見せた。
玉田監督は「撮影中には話していない」とした。その上で「厳密に言うと、どちらか分からないとしか言えない」とした。また、最後のシーンについて、原作には「絶望的にも取れるセリフがある」ことを明かした。だが、映画では全てカット。「2人は違う足場を手に入れているので、いろんなことがあるかもしれないけど、『なんとかなるでしょう』という意味を込めた」と語った。
オダギリは同シーンについて「あのシーンは僕でも『カットバックしなくて大丈夫?』と確認した」という。だが、「撮影すると編集で使いたくなるから、撮らなくて正解。よく我慢したなと思う」と玉田監督を称賛した。