英女優ジェーン・バーキンさんが使用した高級ブランド、エルメスの黒い「バーキンバッグ」が10日、パリで行われた競売で、手数料などを含めて1000万ドル（約14億7325万円）で落札された。
この金額は、ファッションアイテムとしては過去最高額。これまでは、21年に競売で売れた、ダイヤモンドでセットされたわに革エルメスケリーバック「ヒマラヤ」で、落札価格は51万3040ドル（約7億5500万円）だった。
バーキンバックを落札したのは、日本の個人収集家で、電話での落札だったという。
英ロンドンで生まれたジェーン・バーキンさんは、60～80年代にフランスで歌手と俳優として活動し、ファッションや文化のアイコンとして活躍した。
韓国メディアのイーデーリーでは「バーキンさんは84年、パリからロンドンに向かう飛行機で、当時エルメス会長だったジャン・ルイ・デュマ氏の隣座席に座ることになった。当時、子供がいたバーキンさんは『実用的でありながらも洗練されたカバンが必要だ』と、座席にあった嘔吐（おうと）袋に直接カバンのデザインをスケッチしたと伝えられる」などと伝えている。
デュマ会長は、このデザインのカバンを実際に作ってバーキンさんにプレゼントし、その後エルメスはこのカバンを小さいサイズにして販売し始めた。これが「バーキンバック」と呼ばれるカバンの誕生背景。
今回、競売に出たバーキンバックは、実際にバーキンさんが使ったカバンの1つで、85年から94年まで、ほぼ毎日持ち歩いていたという。
バーキンさんはこのカバンを94年にエイズ慈善団体の基金作りのために競売に初めて出した。その後、00年に再び競売にかけられ、フランスの収集家が落札。今回3回目の競売で史上最高値で取引された。
