
シンガー・ソングライター松任谷由実(71)の書き下ろし曲「烏揚羽(からすあげは)」が、漫画家伊藤潤二氏(61)のアニメ「クリムゾン」の主題歌に決まったことが3日、分かった。
ホラー漫画界の鬼才と日本が誇るアーティストのタッグが実現した。昨年、伊藤氏の展覧会に松任谷が訪れたことをSNSに投稿したことをきっかけに交流が始まり、レギュラーラジオ番組に伊藤氏をゲストに招き初対面。この出会いをきっかけに主題歌の起用に至った。
伊藤氏の作品について「どんなにシュールでグロテスクでも、その根底になぜか必ず繊細な“和”の美しさと哀しみが漂っています。むしろ、異形であればあるほど、そこに在るのに決してつかむことのできない何かへの憧憬(しょうけい)が炙り出されるのかもしれません」と評し、「私たち日本のファンも、多くのフランスのファンの方々も潜在的に気づいている共通の美意識。約200年かけて醸造された妖しい世界を一緒に旅することができるなんて、なんとすてきなことでしょう」と主題歌の決定を喜んだ。
同曲は今秋発売予定の40枚目アルバムに収録予定で、冥界と現世をつなぐ役割を担う「烏揚羽」を描く。「今回テーマ曲を依頼され、ラビリンスのようなコード進行にのせたメロディーと共に私が思い浮かべたのは、冥界と現世をつなぎ、異次元をさまようメッセンジャーの形。偶然、フランス語でも黒いちょうはそんな意味を持つそうですね。私の描いたイメージは間違いではなかったと思えました」とコメントした。
MVは4日に公開予定で、「本編公開まで、1人でも多くの方にこのMVで『クリムゾン』への期待をふくらませていただきたい」と呼びかけた。