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“クラシックギター界の異端児“猪居亜美が明かす「CLASSIC×ROCK」誕生秘話


クラシックギタリストの猪居亜美は、ハードロックやヘビーメタルの名曲を独自にクラシックギターでアレンジし、注目を集めています。家族もプロのクラシックギタリストである環境で育った猪居は、中学時代にX JAPANの「紅」に影響を受けました。21年に現マネージャーとの出会いから、クラシックギターでロックを演奏する道を模索し始め、「CLASSIC×ROCK」シリーズを始動。Yngwie Malmsteenの「Trilogy Suite Op:5」など難曲をクラシックギターで演奏し、クラシックギター界の異端児として新たな風を起こしています。今後はジャンルを超えた多様な交流を目指しています。

クラシックギターとロックの融合で観客を沸かせる猪居亜美(撮影・足立雅史)

ハードロックやヘビーメタルの名曲をクラシックギターで自らアレンジし、コンサートはもちろん、YouTubeなどでも公開するクラシックギタリスト猪居亜美(31)が、注目を集めている。

これまでもロック系の名曲をクラシックギターでカバーするアーティストはいた。だが、猪居のアレンジは従来とは確実に別モノだ。メインメロディー、リフ(楽曲で繰り返されるフレーズ)、そしてベースをしっかり取り込み、バンドサウンドをほぼそのまま再現している。「クラシックギターでバンド音楽をやろうと思うと、かなり音を省いてしまったりとか、簡単なアレンジになって、音が薄くなってしまいがちなんです」という。

だが、「それを全部詰め込んだアレンジを1回やってみようと。誰よりも原曲に忠実なクラシックギターアレンジをやろうと思った」とこだわりぬいた。

楽器の特性上、エレキギターのようなハイポジションはない。そのため、音域は変えざるを得ないが、「どれだけ全パートを再現した中にボーカルを乗せられるかを意識しながらやっています」と説明した。

その裏では「指が足りない曲だったり、やっぱり難しい曲もあって、没になる曲もあります」という。「その中で、これだったらクラシックギターに合うんじゃないかという曲をチョイスしています。結果的に80年代が多くなっていますが、ちょっと旋律がクラシカルなものとか、そういう作品に絞られています」と笑みを浮かべた。

5月末の「CLASSIC×ROCK THE BEST」東京公演ではIRON MAIDEN「The Trooper」、LOUDNESS「CRAZY DOCTOR」、Whitesnake「Is This Love」などを披露。圧巻はYngwie Malmsteen「Trilogy Suite Op:5」だ。Yngwie自体、クラシカルなロックギタリスト。元祖速弾きの超絶技巧派だが、Yngwie本人が弾いていないフレーズも盛り込んで再現。「編曲で一番苦労したアーティスト」とし、「音数が多いし、もうずっと弾きっぱなしですからね。やっぱり他と乗り比べても…」と苦笑い。数あるアレンジ曲の中でも、一聴の価値ありだ。

クラシックギターは4歳で始めた。猪居家は父、兄もプロのクラシックギタリストだ。「もうクラシックしか家に流れてないような家庭でした」。だが、中学時代にX JAPAN「紅」を聞き、衝撃を受けた。「こんな音楽が世の中にあるのかって(笑い)。もうびっくりしましたね」。Youtubeで「クラシックギタリストが、エレキギターで紅を弾いてみた」動画をアップしているが、その再生数600万回超となっている。

高校に進学すると軽音楽部に入部。エレキギターでのプロを夢見たが、「技術的に、体にクラシックギターが染みついていて、上達しなかったんです。それで挫折して、クラシックギターでプロの道を目指すようになった」。

その後プロデビューを果たす。だが、ロックとも遠ざかった。そして21年、現マネジャーと出会いが運命を変える。「マーティー・フリードマンさんとの共演が決まって、マネジャーから『ロックが好きなら、クラシックギターでロックを弾いてみるのもいいんじゃない?』と言われた」。

これを機に22年、「CLASSIC×ROCK」シリーズが誕生。最初は「家族も『大丈夫?』だったし、クラシックギター界も結構冷ややかで…(笑い)」。まさに異端児扱い。だが、「その冷ややかな反応の中でも、音楽の友さんで連載の話や、レーベルからロックのカバーアルバム制作オファーをいただきました」と“継続は力なり”を証明。わずか3年で“猪居=ロック&メタル”の称号を手にした。 最近では「ありがたいことに、カバーさせていただいてるアーティストさんにお会いさせていただいたり、クラシックギター界という枠を超えて認知してくださっているのかなと思う」と、手応えを感じている。 今後は「コラボとか、いろんな交流ができたらいいなと思う」と目を輝かせる。クラシックギターは生音の楽器のため、クリアすべき課題はある。それでも「ジャンルを超えて何かやっていきたい」と前向きだ。 同時に「その軸はクラシックアーティスト」とし、「ジャンルを超えて活動しているからこそ、クラシックで、もっと第一線で活躍できる人間になりたい」と、足元もしっかり見つめている。

“クラシックギター界の異端児”のロック魂が巻き起こす新風に期待したい。

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