
女優見上愛(24)が3日、自身がダブルヒロインの1人を務めるNHK26年度前期連続テレビ小説「風、薫る」で、“バディ”となる、もう1人のヒロインが上坂樹里(19)に決まったことを受け、喜びを語った。
明治期の看護師を題材としたバディ物語で、見上の出演は今年1月に発表。今春に残る1人を決定するオーディションを行っていた。都内の同局で行った会見には見上と上坂のほか、制作統括の松園武大氏も出席した。
見上は上坂に「一緒に楽しみましょうね」と声をかけ「この作品も2人が一緒に手を取り合って、成長したり成長できなかったりした時も協力しあっていくものだと思っています。撮影は楽しいことだけじゃないかもしれないですけど、支え合いながら頑張らせてください。よろしくお願いします」と話した。
数週間前に面会した際には「何でも器用にこなせて大人っぽくみえているよ」と声をかけたというが、上坂からは「私、おおざっぱです」と返されたといい「これは仲良くなれそうだなと思っています」と語って笑いを誘った。
物語は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治期に同じ看護婦養成所を卒業し、「トレインドナース(正規に訓練された看護師)」と呼ばれて新たな風を巻き起こした実在の人物、大関和さんと鈴木雅さんの2人の半生をモチーフとする。今回オーディションで募集していたのは、鈴木さんモデルの大家直美役。大関和(ちか)さんがモデルの一ノ瀬りんを演じる見上とは“バディ”として共に人生を歩んでいく。田中ひかる氏の著書「明治のナイチンゲール 大関和物語」を原案とし、作者の吉澤智子氏らがオリジナル要素も加えながら届ける。
バディとなることについて、見上は「大関さんと鈴木さんも出会ってすぐにバディみたいになったかというとそうではなくて、今みたいに緊張している感じとか、どうやったらお互いが仲良くなれるか、その時間も大事だと思っています。2人でいろんなお稽古事に挑戦していかないといけないので、役と共に2人のバディ感を高めていけたらいいなと思います」と気持ちを引き締めた。
NHKは「激動の時代を生きた2人のナースとその仲間たちの波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成します。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます」としている。モチーフとなる大関和さん(1858-1932)と鈴木雅さん(1857-1940)は、1886年に桜井女学校の看護婦養成所に第1期生として入学。卒業後は帝国大学医科大学第一医院でトレインドナースになった。しかし、ほどなくして大関さんは職場を追われて新潟県で女学校の舎監をすることに。一方、鈴木さんは日本で初めての個人経営の派出看護婦会を設立し、やがてそこに大関さんも加わることとなる。
2人は派出看護を行いながら、防疫活動でも大きな成果を残す。その後、鈴木さんは看護婦会を大関さんに委ねて引退。大関さんはその後、会頭を務めながら、「派出看護婦心得」「実地看護法」などを執筆。2人は看護師という職業の確立に大きく貢献した。
朝ドラは、現在放送中の25年前期は今田美桜主演の「あんぱん」、同年後期は高石あかり主演で「ばけばけ」を放送することが発表されている。「風、薫る」は連続テレビ小説第114作目で、今年の秋からクランクイン予定という。