
トランプ米大統領が、助成金の支給停止や留学生の受け入れ禁止措置に踏み切るなどハーバード大学を執拗に攻撃する中、その理由が昨年ニューヨーク大学に進学した愛息子バロン氏(19)が同校を不合格になったことへの復讐だという陰謀論が浮上した。母親であるメラニア夫人の広報担当者が、「まったくの誤り」「ハーバード大学に出願したことは1度もない」とネット上のうわさを否定する事態となった。米ピープル誌など複数のメディアが報じている。
トランプ政権は4月、ハーバード大学に「多様性、公平性、包括性(DEI)」プログラムの即時中止や反ユダヤ主義の根絶などを要求。それを拒否した大学との対立が深まり、27日には全ての契約を打ち切る方針を示し、圧力を一層強めている。
そうした中、ネットではバロン氏の不合格が動機となっている可能性を示唆する声が上がっていた。民主党のシェルドン・ホワイトハウス上院議員も、X(旧ツイッター)で「一体何人のトランプ家の人がハーバードに落ちたのか知りたい」と疑問を呈している。
現時点でハーバード大学がバロン氏を不合格にした証拠はないが、トランプ氏自身を含め子どもたちもみなハーバードと同じ名門アイビーリーグに属するペンシルベニア大学に進学していることから、バロン氏のニューヨーク大学進学は「一家の伝統から外れる」と話題になっていた。一方で、トランプ大統領は母校であるペンシルベニア大学のトランスジェンダー選手を巡る大学の方針を理由に資金提供も凍結しており、バロン氏の不合格に対する報復措置が必ずしも大統領の決定に影響を与えているわけではないようだとも伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)