
中村勘九郎(43)が「八月納涼歌舞伎」(8月3~26日、東京・歌舞伎座)第3部「野田版 研辰の討たれ」で主人公辰次を初めて演じることが19日、分かった。12年に亡くなった父勘三郎さんが、演出家野田秀樹さんとタッグを組んだ野田版歌舞伎の第1弾として01年に初演された作品。
ほか、市川染五郎、中村勘太郎、市川中車、中村七之助、松本幸四郎、中村扇雀の配役が発表された。
配役解禁にあたり、野田さんは「歌舞伎役者は、その血筋が大切であるという理由からよく『サラブレッド』などと競馬の馬扱いされることがあります。この馬こそ、あの何々という名馬の子供だみたいな感慨でしょうか。おそらく初演(2001年)再演(2005年)をご覧になったお客さまは、その楽しみと特権で『お父さんはもっと…』とか『お父さんだったら…』とか『お父さんの方が…』とか、前世代の名馬の一世を風靡(ふうび)した姿の方が良かったあ、と言いたいがために観劇なさったりするものです。私は、そうは言わせない心意気です。この新しい世代のサラブレッドたちもサラブレッドであるゆえんをお見せできるような、そんな舞台に仕上げようと思っております」とコメントを寄せた。