
米国映画の巨匠マーティン・スコセッシ監督(82)が、死去したローマ教皇フランシスコの生前最後のインタビューが盛り込まれたドキュメンタリー映画を公開する。先月30日に明かした。
米AP通信は同日「スコセッシ監督の製作会社シケリアプロダクションとアルデアス・スコラスフィルム側は、スコセッシ監督が生前教皇フランシスコとともに製作したドキュメンタリー映画『Aldeas-A New Story(アルデアス-新しい物語)』を公開する計画だ」と報道した。具体的な公開日は明らかにしなかった。
作品には教皇フランシスコが13年に設立した非営利教育財団「スコラス・オクレンテス」の活動内容が盛り込まれる予定だ。世界各国の青少年間の文化交流増進を目標に作られた財団で、全世界190カ国以上で青少年教育および芸術、スポーツプログラムなどを運営している。同財団はインドネシア、ガンビア、イタリアなど全世界の若者たちが参加して直接短編映画を作る「Aldeas(アルデアス=スペイン語で村の意)」プロジェクトも進行してきた。
生前、教皇フランシスコは、同プロジェクトが「人間の人生の根源、人間の社会性、葛藤の根と人生の旅程の本質を探求するため、非常に詩的で非常に建設的なプロジェクト」と話したことがある。製作会社側はこのドキュメンタリーが「創意性が単に表現の手段ではなく、希望と変化に向かう経路という持続的な信頼の証拠になる」と話している。
スコセッシ監督は「映画は私たち各自が世の中をどのように眺めるのか理解するのに役立つ。教皇フランシスコは、全世界の人々が互いに尊重する心で考えを分かち合うと同時に、各自の文化的アイデンティティーを保存することを重要視したが、映画はそのような役割ができる最高の媒体」と話した。
スコセッシ監督は長年にわたって教皇フランシスコに数回会っている。先月21日、教皇フランシスコが死去すると、スコセッシ監督は「あらゆる面で驚くべき人だった。彼は自分の失敗を自ら認め、知恵と善を発散した。善に対して確固たる意志を持っていた。教皇フランシスコは無知が人類にとって恐ろしい災いだということを深く知っていた。彼は学ぶことを止めず、悟りを与えることを止めなかった。私たちに光を残し、その光は決して消えないだろう」と追悼している。