
歌手、俳優の武田鉄矢(75)が10日放送の、テレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜午後1時)に出演。昨年10月に76歳で亡くなった親友の西田敏行さんとの秘話を明かした。
西田さんとは憧れの俳優が一緒だったという武田。売れない時に西田さんが話してくれたエピソードを語った。
西田さんが劇団にいて、貧しい演劇青年で、友人たちとお金を出し合ってお客さんが100人も入らない小さい劇場を借り、舞台劇を演じた時に、幕を開けたら、お客さんが10人いるかいないかで、出演者が20人ぐらいだった。すると「最前列に渥美清がいる」と、誰かが気づいたという。「男はつらいよ」の寅さんの姿に楽屋中は大騒ぎになった。
そして西田さんが出ていき演じると、渥美清が大喝采を送ってくれ、「西田さんだけ格別の笑い声で包んでくれて。全部終わった後に20人の演劇青年たちそれぞれぞれ疲労のあまり腰が抜けて…。それで誰かが、ぼそっと『西田のとこだけ、あの人物は笑ったぞ』っていう。西田さんはそれがすごいうれしかったっていう」と西田さんから聞いた話を伝えた。
そして「それで、お酒も入っていたんですが『武田さん、私とあなたは、あの背中を追いましょう! 渥美清という背中を追いましょう。みんな格好いい男ばっかりやりたがるけど、本当にすごいのは、あの人なんだ。誰もそのことに気が付いてないんで渥美清を追っかける2人でありましょう』って誓い合ったのを覚えてますね」と明かした。