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サカナクション山口一郎が1264文字でつづった新曲「怪獣」への思い「鬱病と共生しながら…」


サカナクションのボーカル兼ギタリスト山口一郎が、自身のうつ病と共生しながら制作した新曲『怪獣』について、長文の思いをインスタグラムで公表した。NHKアニメの主題歌として生まれたこの曲は、リリース後に予想以上の好評を得ており、特にSpotifyでは日本でのリスニング記録を更新した。その成功の裏には、バンドのドキュメンタリーとしての活動があると山口は強調し、リスナーにもそのプロセスが響いたと感じている。彼は、バンド人生をドキュメンタリーとして捉え、その過程が音楽に深みを与えていると語る。また、リスナーの音楽に対する理解と感受性も今の時代において増していると述べ、『マジョリティの中のマイノリティな音楽』を追求する上でリアリティが重要な要素であると示唆している。

サカナクションの山口一郎(2021年10月撮影)

うつ病を公表している、ロックバンドのサカナクションのボーカル・ギター山口一郎(44)が4日、インスタグラムを更新。2月20日にリリースした約3年ぶりの新曲「怪獣」について、1264文字の長文で思いをつづった。

「NHKアニメ『チ。-地球の運動について-』の主題歌として『怪獣』という曲を書いた。鬱病と共生しながら歌を書くという新たなる音楽人生の始まりだ。原作の漫画を何度も熟読、考察し、注釈に出てきた書籍を掻き集め、アニメの時代背景や、天文学、宇宙物理学などを、病から来る症状と七転八倒しながらインプットし書き上げた」と書き出した。

「この『怪獣』という曲に取り組むにあたって、漫画、アニメの世界観を主題歌としてどう担うか、サカナクションとしてのドキュメンタリーをどう内包し、混ぜ合わせていくかというその2点に鋭く集中し、その工程は、言い方はあれど『世の中にどう届くか』という客観的な視点は皆無で、ただシンプルに漫画の作者とそのファン、アニメ制作チームにとって、そしてチームサカナクションとそれを応援してくれているファンにとって最善の歌になることだけが桃の種だったのだ」とした上で「なので、リリースされてからの反応や、セールスなどは全く意識していなかった。リリース直前、僕らが所属しているレーベル、ビクターのアーティスト担当の人間は、チャートで50位に入るためにはどうしたら良いのか、ツアー中だがその為にプロモーションの協力をしてほしいと言っていたのだ。それくらい僕らはこの『怪獣』という曲と、初のアニメ主題歌という客観的な視点を持っていなかった」と打ち明けた。

そして「いざリリースされると、各サブスクリプションで上位にランクインされ、Spotifyに至っては日本で1日で聴かれた回数の歴代記録を更新したらしい。これは本当に予想外だった。普段から僕らはランキングなど、そういったことに関して無頓着だ。自分達が納得、完遂した曲であればそのような評価に関しては流れ星のように一瞬の煌めきのように捉えている。しかし、今作に至っては、僕が病気になり、活動を休止し、病を患いながらツアーを走らせ、ようやく制作した楽曲だ。レーベルやマネージメントの仲間達もしばらく不安で表情も暗く沈んでいた。そんな中、この結果はみんなの表情や声を非常に明るくさせたのだ。それが本当に本当に嬉しかった」と胸中を明かした。

さらに「バンドはドキュメンタリーだ。バンドメンバーだけでなく、それに関わる仲間達の人生だ。まさに一蓮托生だ。それが音楽になって、ライブになって、恒星のように光り、いつか消滅する。その過程をSNSなどインターネットで垣間見れる時代になったからこそ、生み出された曲に今までになかったドキュメンタリーという質量がより付加されるようになったのだと思う」と記述。

続けて「その代わり、リスナーのリテラシーも増していると思う。ミュージシャンや楽曲の想像を掻き立てる秘匿さに魅力を感じることも無くなるとは思わない。しかし、僕らがずっと目指しているバランス感覚『マジョリティの中のマイノリティな音楽』『学校のクラスで1人か2人に深く刺さる音楽を作る』を達成する上で、リアリティで付加される質量というのは、大きなヒントになる気がしている。北九州小倉でライブの後、太宰府天満宮に立ち寄り、献梅させていただいた梅の木を見てきたのだが、まだ2分咲きだった。バンド歴18年だがまだまだ伸び代アリ」と締めくくった。

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