
<第97回アカデミー賞授賞式>◇2日(日本時間3日)◇米ロサンゼルス、ドルビー・シアター
2月26日に自宅で95歳で亡くなっているのが発見された、米俳優ジーン・ハックマンさんが、アカデミー賞授賞式恒例の当該年度内に亡くなった世界的な映画人を追悼するコーナーで紹介された。
ハックマンさんは「フレンチ・コネクション」(71年)で主演男優賞、「許されざる者」(92年)で助演男優賞を受賞している。日本の映画関係者では、90年代初頭からアニメの宣伝に携わりディズニー、ドリームワークスなどで活躍し「シュレック」など話題作の宣伝を務めたものの、今年2月にがんで亡くなった、北原ふみさんが、ただ1人紹介された。
追悼コーナーで登壇した米俳優モーガン・フリーマン(87)は「親愛なる友達を失った」と、その死を悼んだ。「幸運にも『許されざる者』『アンダー・サスピション』(00年)の2作で共演した。彼と共演した全ての人と同じように…彼は寛大な役者で、全ての役者の仕事を向上させる。世界中のファンの心をつかむ」と感謝。その上で、ハックマンさんが生前、口にしていた言葉「レガシーなど考えず。良い仕事をした人として覚えて欲しい」を紹介し「あなたが記憶に残るのは、それ以上のものですよ。ご冥福をお祈りします」と口にした。
ハックマンさんは、2月26日に米ニューメキシコ州サンタフェ近郊の自宅で死亡しているのが見つかった。妻でクラシック音楽のピアニストだったベッツィ・アラカワさん、夫妻が飼っていた3匹のジャーマンシェパードのうち1匹が、自宅内の別々の場所で亡くなっているのが発見。アラカワさんの遺体の一部はミイラ化されていたと伝えられており、近くには処方薬が散乱していたという。米CNNなどによると、ハックマンさんが装着していた心臓ペースメーカーが最後に記録されたのが同17日で、警察はその日が死亡日だった可能性が高いとの認識を示している。2人とも外傷はなく、死因は分かっていないが、共に一酸化炭素の検査結果は陰性だったという。警察は死因を究明するため検視や薬物検査を行っている。