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安倍元首相銃撃事件“弾道の謎”に丸田佳奈医師、救命医師と司法解剖の結果に「矛盾はない」


医師である丸田佳奈氏が、安倍晋三元首相の銃撃事件における「弾道の謎」について解説しました。丸田氏は、事件直後の医療対応を行った福島英賢教授の説明が報道によるものであるため、完全な事実とは限らないとし、「司法解剖の結果が重要」と述べました。また、銃弾の運動エネルギーが体内で広がるため、損傷が複雑になる可能性を指摘し、「福島教授の救命活動と司法解剖の結果には矛盾はない」と結論付けました。

丸田佳奈氏(2023年5月撮影)

医師の丸田佳奈氏(43)が16日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(日曜午後1時30分)に出演。22年7月に起きた安倍晋三元首相銃撃事件で“最大の謎”とされる“弾道の謎”について、医学的見地から解説した。

番組では「テロとクーデター」を特集。安倍元首相銃撃事件を取り上げた。

作家の門田隆将氏は、安倍元首相の救命を担当した奈良県立医大の福島英賢教授の説明を元に「安倍さんは山上(徹也被告)の方角に向いていない。弾道の謎をいまだに解決していない」と主張した。

これに、丸田氏は「奈良県立医大の教授の会見も何回も聞きましたし、司法解剖の結果が公表されているわけではないので報道ベースですが、奈良県立医大で司法解剖されたのは確からしいですね。そこが最終的に評価したものは報道されていて、そこから判断すると違和感はないのが正直なところ」と話した。

続けて、「誰かを擁護するとかではない」と前置きし、福島教授の仕事は安倍元首相の救命が最優先で、銃弾がどう動いたのかに関する会見での説明は、福島教授も「専門家が見ると違うかもしれない」と断っており、「あくまで仮で、その後の司法解剖された先生の見解がより重要」との考えを示した。

致命傷となったのが心臓なのか、血管なのかについては「報道が適当だなと感じるのは、『左右の鎖骨下動脈の損傷』と書いてあるのもあるし、『左右の鎖骨下にある動脈の損傷』と書いてあるのもある。全然ニュアンスが違う」と事実関係が詳しく分からないと指摘。その上で、「心臓って丸くなってピョンと血管が出ているわけではなく、複雑に絡み合ってそこから血管が出ているから、福島教授のおっしゃった心臓及び大きな血管の損傷が一度に起こってもおかしくない」と推測した。

さらに、銃弾の動きについても「皆さん、例えば5ミリの銃弾が真っすぐ進んだら、ストローのように細く5ミリの傷ができるようなイメージかもしれませんけどそんなことなくて、運動エネルギーが外側に放散するので、周りの組織を挫滅しながら中の損傷が大きくなりやすい」と解説した。

結果として、安倍元首相の体のどこに傷があったかという福島教授の考察と、後の司法解剖の結果には「矛盾はない」とし、「(福島教授は救命のため)止血するのにかかって、(射入口を)観察しているわけではない。(原因を調べる)司法解剖の先生の見解の方がより重要になると思います」と結論付けていた。

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