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落語家林菊丸(50)月亭方正(56)桂かい枝(55)が14日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で「林家菊丸・月亭方正・桂かい枝特選よしもと三人会」(5月16日、同所)の概要発表会見に登場した。
これまでも3人会は開いていたが昨年、それぞれがNGKで独演会を開催。方正が「それならNGKで3人で定期的に」と呼びかけ、今回NGKで初めての開催が決定した。
演目は、菊丸が「このところ出してないなというネタを。5~6年やっていないので」と「たちぎれ線香」を選択。方正は「ざこば師匠のを見たときは『これが落語なんや』と涙が出た」と「笠碁(かさご)」をチョイス。かい枝は「2人が情、情ときたから」と「三十石」を選んだ。
出番順は当日あみだくじで決定するとし、「こっちはおもしろいけど、いきなり人情話とかお客さんはおもしろいかな」と不安がるかい枝に、方正は「それはしゃない」と開き直った。
3人は吉本興業所属の落語家として、将来を背負っていく立場でもある。菊丸は「林家一門は古くから花月に出ていたので、林家の誰かが常に花月に出ていてほしい」と意気込み、かい枝は「エンタメが多様化している中で、吉本もいつまでもスポットを当ててくれるのか。魅力ある落語家が出ないとヤバい。NGKでトリを取れるよう頑張らないといけない」と危機感を示した。
一方、方正は「僕は吉本が好きで小さい時から入りたかった。テレビタレントから落語させてもらって、やっと芸人になった。落語は大好きで、落語さえできてたら心が満たされる。素晴らしいものを手に入れさせてもらった。吉本というよりも落語を盛り上げていきたい」とキッパリ。
近年、上方落語の新弟子は年に1~2人にとどまる。吉本総合芸能学院(NSC)が1000人を超えるのとは対照的だ。それだけに「落語の楽しさ、魅力を発信していかないといけない。やるしかない。どんどん発信していって、落語の住人を増やしていきたい。今回もその1つ」と今回のイベントに込めた思いを打ち明けていた。