今年の箱根駅伝で2連覇を達成した青学大の原晋監督(57)は8日、歌手和田アキ子(74)がMCを務めるニッポン放送「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」(土曜午前11時)にゲストで生出演した。親交がある和田とのトークの中で、将来的なスポーツ庁長官への就任に意欲をみせる場面があった。
同番組への出演は8年ぶりという原氏は、自身の今後に話題が及んだ際「サラリーマンに例えるなら、もう定年なので、次にバトンタッチしないといけない」と告白。「私がいつまでも青山学院の現場第一線で監督として君臨すると、ぱっとやめた時に、青山学院自体が急に弱くなってはいけない。徐々に後輩、後進に原のノウハウを伝えつつ、上手に退くのが理想」と、理想の引き際について語った。
「2、3年で辞めるというわけではない。ただ、原1人の指導体制から後輩の指導者を人選し、任せていく体制をつくりたい」とも語った。
ここで和田から「夢みたいなものは何か…」と問われた原氏は「何かやらせてもらえるのなら、スポーツ庁長官ですね」と打ち明けた。スタジオが「おー」と沸く中、原氏は「(スポーツ界は)昭和メソッドの終焉(しゅうえん)に、そろそろ向かわないといけないと思っている。いまだに体罰で指導している指導者はおり、いまだに体罰が問題になっていたりする。そういう根絶もしたいし、新しい、現代にあった指導ノウハウをつくっていきたいというのもある」と、その背景に触れた。
また「中学のクラブ活動はこれから、地域に移行される。長く続いた伝統のクラブ活動がなくなって、新しく生まれかわる。それを積極的に導入をはかって日本に定着させていく。そしてアマチュアスポーツが、資金的にも稼げるメカニズムを推奨していきたい。補助金頼みではなく、自分たちで自分たちのお金を生み出すような仕掛けをできるような仕組みにしたい、と思っている」と語った。「スポーツで生まれた人間ですから。たまたま箱根駅伝のステージで食わさせてもらっているが、それは他の分野での共通項は僕はあると思っている。だから、スポーツの領域で問題視していきたい」とも語った。
原氏は胸の内を語った上で「まあ、こればっかりは私がやりたい、と言ってできるわけではないので」と述べたが、番組に出演しているフリーアナウンサー垣花正は「まさに(選挙の)出馬演説みたいな感じだった」と表現した。
和田が「(政治家になれば)講演回数は減りますよ」と冗談を口にすると、原氏は「スポーツ庁長官は、民間人で、政治家ではないんですよ。だからこそなんですよ。スポーツ庁長官と文化庁長官は民間人なんですよ」と応じ、「次期文化庁長官はアッコさんじゃないですか?」とリップサービス。和田は「そんなんやったらすごいね」とジョークで返していた。