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元NHK武内陶子が朗読劇初挑戦 義理の母演出助手務めた俳優座「出られると思っていなかった」


元NHKアナウンサーの武内陶子さん(59)が、俳優座で上演中の朗読劇「青空」で初めて舞台に立ちました。この作品は、太平洋戦争中の日本で、少年と柴犬が厳しい状況を生き抜く青春物語です。公演は義母が関わった俳優座でのもので、感謝の気持ちを述べました。武内さんはNHKで多数の番組司会を務めた経験を持ち、舞台での演技に新たな挑戦を感じたと言います。フリーアナウンサーとして新たな一歩を踏み出し、これからも様々な挑戦に意欲を示しています。

俳優座で上演中の「青空」で初めて朗読劇に挑戦した武内陶子(撮影・村上幸将)

元NHKのフリーアナウンサー武内陶子(59)が4日、アナウンス人生30余年で初めて朗読劇に挑戦した。都内の俳優座で1月30日から上演中の「青空」で、太平洋戦争真っただ中の日本を、お国の命令に背いて少年大和とともに生き抜いた柴犬の麦を演じた。「今日が、スタートだというふうに思ったくらい。新しい一歩を踏み出したいという感じ。できたら…」と、今後の女優業挑戦の可能性も口にした。

「青空」は、軍国主義教育を受けた少年大和が芝犬の麦と野良猫の小太郎と生活し、戦況が厳しさを増していく中で、飼い犬や飼い猫を兵隊の毛皮や食料のために供出せよという「献納運動」を受け、お国の命令に逆らっても2匹の命を助ける青春物語。武内はこの日、語り部の松田悟志(46)大和役の小宮有紗(30)小太郎役の松本梨香(56)とステージに立った。

終演後、武内は写真を手にステージに立ち、義理の母で翻訳家の上田公子さんが、俳優座の初代代表・千田是也さんの演出助手をしていたことを明かした。俳優座は4月末での閉館が決まっており「まさか、ここに来ることができるのかと…。義理の母は亡くなりましたけど、この場に連れてきてくれた。本当にママ、俳優座に立たせてくれて、ありがとう」と感謝した。

武内は公演後、日刊スポーツなどの囲み取材に応じた。23年9月30日にNHKを定年退職後も、24年3月の番組終了までパーソナリティーを務めたNHKラジオ第1「ごごカフェ」などで朗読の経験はあったが、舞台に立ったのは初めて。「義理の母は、愛川欽也さんと養成所時代に動機だったと話を聞いていた。まさか出られるとは思っていなかった。今日は来てくれていたかな…感無量」と口にした。

出演のきっかけは、方南ぐみを96年に旗揚げした代表の樫田正剛氏が、自身のラジオ番組を聴いており「フリーになったら、やりませんか?」と声をかけてくれたことだった。NHKアナウンサー時代の朗読は「なるべく声色を変えたり、使ったり、役になりきるセオリーがなく」、今回の朗読劇にあたり、戸惑いもあったという。演出を受けるのも、初めてだった。

03年に第54回紅白歌合戦で総合司会、「スタジオパークからこんにちは」「連続クイズ ホールドオン!」「うまいッ!」「100分de名著」などの番組でも司会を歴任。全国放送のラジオ番組「武内陶子のごごカフェ」「ごごカフェ」でも、パーソナリティーを担当。14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」本編後のコーナー「官兵衛紀行」ではナレーションを担当したが、唯一、NHKで経験できなかったことが、ドラマのナレーションだった。そのことを踏まえ武内は「いきなり、語りを通り越して自分が演じるのは面白かった」と笑みを浮かべた。

稽古を2カ月、通し稽古1回で本番に臨んだ。開演直後は緊張気味で、探り探りの感じだったが、途中からは椅子から立ちあがり、檀上を動くなどアグレッシブになった。「お客さまのおかげ。語りで皆さんを引っ張っていくところが出てくると、ついて来いみたいに、変わっていく自分が面白かった」と手応えも口にした。

今後は「バンジージャンプ以外はバラエティーもOK。無限大でいろいろな広がるところまで行きたい」と意気込んだ。

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