フジテレビ清水賢治新社長(64)が30日、同局の定例取締役会後に取材に応じ、中居正広氏(52)や同局をめぐる記事についての一部を訂正した週刊文春について、取締役会で議論となったことを明かした。
清水氏の取材対応の様子は同局系報道番組「Live News イット!」(月~金曜午後3時45分)番組内で中継された。番組では、ACジャパンに差し替えとなったCMの料金を請求しないことが取締役会で決議され、業績予想が「売り上げ500億円マイナス」となったことも明かされた。
記者から文春の訂正が議題となったか質問を受けると、清水氏は「各取締役からどのような個別の意見が出たか、というのは差し控えさせていただきますが、やはり一様に非常に厳しい意見が多かったです」と報告。「それはやはり、メディアの責任とは何か、というところですね。あれだけの巨大なメディアが、言ってみますと、昔と違って、こういうテレビ、新聞とかこういうメディアと、今の文春さんというのは、実は、かなり強力な影響力が絶大なメディアであると言えると思います。そのメディアである文春さんにとって、その義務とは何だろうか、ということについての、いろいろな厳しい質問、ご意見がありました」と続けた。
文春はフジテレビ社員の関与について、昨年12月26日発売号の記事では、女性がフジ社員から会食に「誘われた」と報じたが、その後の取材で「中居氏に誘われた」ことが判明したとして訂正。この訂正が事案の「根幹にかかわる」と記者から聞かれると、清水氏は「(訂正が)出た火曜日の時も申し上げたのですが、なぜあのタイミングに出したのかな、というのが一番疑問に思ったところです。さらに、報道をちゃんと見てみると、1月6日にはわかっていたとなると、最初の17日の会見前でもある。そういうところというのは、一連の週刊誌報道がある意味、ベースとなるような質疑応答に終始してしまうものですから、そうするとその基盤となっているベースがどういうファクトだったのかというところの…ベースが崩れると、ベースにほころびがあると(メディアの)皆さまにとっても、真相のことが、そこから組み上げていく、上にのっかってくるものが崩れてしまう。ですからそこらへんは、もう少し、きちっとした対応が必要なのではないかと思います」と述べた。
さらに取材陣から「今後、訴訟を考えますか」と聞かれると、清水氏は「今、あらゆる選択肢が検討にはあります。ただし、それをどういう風に行使するか、というのは、やはりまだ今、第三者委員会の調査というのが継続しています。ここに阻害要因になってはいけませんし、感情的なものというのは、それはもちろん各取締役の中にも皆さん、あるんですが、ただそれとは別に、今行われている調査と並行して動いているわけですし、そこはしっかりと冷静に検討して対応していくものだと思っています」とコメント。今後の法的措置の可能性を否定はしなかった。
27日に港浩一前代表取締役社長(72)と嘉納修治代表取締役会長(74)が辞任を発表した2度目の会見後、初めての取締役会となった。番組序盤ではフジ・メディア・ホールディングス金光修社長(70)、同局に長年強い影響力を持っているとされる日枝久相談役(87)が社屋に入る映像も放送された。