米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外マリブで9日夜に山火事「フランクリン」が発生し、歌手ビヨンセとジェイ・Z夫妻らハリウッドセレブが暮らす自宅近くまで被害が広がっている。火は強風にあおられて10日夜には一晩で火災の規模が39%拡大し、3900エーカー以上が焼失した。11日朝の時点で、少なくとも7軒の家屋が全焼し、9軒が被害を受けたと地元メディアは伝えている。
マリブは高級住宅地として知られ、歌手レディー・ガガや女優ジュリア・ロバーツ、女優アンジェリーナ・ジョリーら多くのセレブが豪邸を構えている。報道によると、セレブを含む約2万人の住民と8000以上の住宅や企業に避難命令または警告が発令されており、周囲は停電し、学校も休校になっているという。
映画「メリー・ポピンズ」(64年)などで知られ、13日に99歳の誕生日を迎える名俳優ディック・ヴァン・ダイクは、妻とともに無事避難したことを報告。「コミュニティーがこの恐ろしい火災を乗り切れるよう祈っています」とフェイスブックにつづっている。他にも、歌手シェールも自宅から避難したと報じられているほか、ロバーツの自宅がある区域も避難対象になっていることが伝えられている。
一方、映画「スター・ウォーズ」シリーズで知られる俳優マーク・ハミルはインスタグラムを更新し、火災のため在宅避難をしていることを報告。安全に過ごすよう呼びかけるとともに、「家から出られませんが、これは私の老年の隠居生活にぴったり」とつづり、避難せずに自宅にとどまっている模様。
火災の原因は調査中で明らかになっていないが、現時点で死傷者の報告は出ていない。
2018年に同地域で起きた山火事では、歌手マイリー・サイラスと当時の婚約者だった俳優リアム・ヘムズワースの自宅が焼失している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)