NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8時)で、藤原道長を演じる柄本佑(37)がこのほど取材に応じた。
同作は吉高由里子演じる紫式部を主人公に、1000年の時を超える長編小説「源氏物語」を生み出した女流作家の波乱の一代記を描く。
柄本演じる道長は、平安の貴族社会において最高の権力者として名を残した人物。17日に放送された第44回「望月の夜」では、道長が詠んだとされる、かの有名な「望月の歌」を詠むシーンが放送された。
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思へば」。この世で自分の思うようにならないものはない-。自身の3人の娘が后の座を独占し、土御門殿で行われた宴で歌を詠むも、まひろに視線を送る意味深な一幕もあった。
「望月の歌」は藤原実資の日記『小右記』で記されており、栄華を極めた象徴との解釈もあれば、「このよ」が「この世」と「この夜」の掛けことばとして使われる例もあることから「今夜は本当にいい夜だ」という解釈もある。
柄本は同シーンについて「実資が漢字をまちがえている節もあって」としつつ「今回はああいう解釈。最高権力を手にして、という風な解釈ではない、今回の意味合いのようにして」と明かした。「(前回の)44話の中ってむしろ追い詰められていくじゃないけど、そう言った内容の中、急にあれを詠むから、まんまの意味合いで言うと苦虫をかみちぎりながら、半泣きで言っているんじゃないかなって(笑い)」。演出の黛りんたろう氏と打ち合わせを重ね「『今夜は良い夜だ』という意味合いで読む。という風なところで一応つながっている感じですかね」と振り返った。
また、「まひろを見る時というのは自信にあふれているとかより、ある種『ここから救い出してくれ』という意味合いがあった気がして」とも明かした。「大石先生の書かれているところからズレているかもしれないけど、僕はそういう心境があって。まひろとのところ(シーン)は、強がりもせず素のまんまの三郎(幼名)のままで、と言うところは大事だと思っていたので、そんな意味合いがあるような気がして。僕としてはそんな感じでやっていました」と回想した。