韓国で、ユーチューバー同士のケンカの結果、異様な結末となった事件が注目された。配信をめぐってトラブルになった相手を殺害した罪で起訴された50代の男が20日、裁判で無期懲役を宣告された。その際、「感謝します」と手をたたいて拍手するなど奇行を見せ、抗議する遺族には悪口を浴びせた。韓国複数メディアが報じた。
検察側によると、男は5月9日、韓国・釜山(プサン)地方裁判所の前で、自身を数回告訴した相手のユーチューバーを凶器で刺して殺害した。裁判所は「被告人が被害者の動きを把握して、凶器の購入、レンタカー契約など、事前に犯行を緻密に計画した」とし「また凶器で2回、体を貫通する傷を負わせた後、床に倒れた被害者に対し、8秒間ナイフを振り回し、さらに深い傷をつけたことなどを考慮すると、報復目的で被害者を殺害したと判断される」と示した。
判決が出されたユーチューバーの男は「ありがとうございます」と手をたたき「弟を生き返らせろ」との遺族の悲鳴に、罵声(ばせい)を浴びせながら退廷した。男のリアクションは、覚悟していた死刑にならなかったことに対しての反応、との可能性も指摘されている。
両者は配信を通じて誹謗(ひぼう)中傷を言い合うなどトラブルになっていたという。事件発生時には、殺害されたユーチューバーが生配信中で、機材を落としたため犯行画面の映像は残されなかったが、悲鳴のような音声は配信されたとも伝えられた。