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「大手メディアの敗北」宮根誠司・安住紳一郎アナら続々…兵庫知事選で語った「SNSとの差」


兵庫知事選で斎藤元彦氏が再選を果たし、選挙戦においてSNSの影響力が増大していることが議論の的となっています。大手メディア関係者は、SNSとテレビ報道の違いについて意見を述べ、一部ではテレビの「敗北」との認識を示しています。宮根誠司氏は、大手メディアは公平性と事実確認に基づいているが、SNSはそれを飛び越えることがあると指摘し、SNS情報の信頼性が課題であるとの見解を示しました。安住紳一郎氏も、信頼性のある報道を目指す必要性を強調しました。元テレビ朝日社員の玉川徹氏や読売テレビの高岡達之氏も、テレビは法律に縛られているため自由に報じられない現実を伝え、SNSの台頭による変化がテレビ報道に大きな課題を投げかけていると語っています。

斎藤元彦氏(2024年9月26日撮影)

17日投開票の兵庫知事選で無所属の前職斎藤元彦氏(47)が、元尼崎市長稲村和美氏ら無所属6新人を破り再選を果たした。

今回の選挙で、テレビなどの大手メディアと、新興のX(旧ツイッター)やYouTubeなどのSNSとの勢力図が大きく変わったとの見方が広がっている。フリーアナウンサー宮根誠司(61)とTBS安住紳一郎アナウンサー(51)はともに自身の出演番組で、兵庫県知事選をめぐるテレビ報道について言及。テレビとSNSの違いは「事実確認」と「公平性」との私見を披露した。

宮根は17日放送の「Mr.サンデー」で「大手メディアというのは平等性だとか事実の確認、裏取り、プライバシーの問題。こういうものを考えながら報道するわけです」と切り出した。そして「SNSの中には事実じゃないものもあるので、どうやって判断していくか」と投げかけた上で「SNSはそういうのをポーンと飛び越えちゃうところがあって」と語った。続けて「今回、私個人が思うのは、大手メディアのある意味、敗北ですよね」と結論づけた。

安住アナは18日放送の「THE TIME.」で約1分半の独白をする形で、選挙報道の反省と総括を述べた。「テレビメディアに対する批判も十分に自覚しているつもりです。皆さんがテレビに物足りなさを感じている」と推察。「SNSと同じにはできない」と前置きした上で「裏を取ること、そして公平に、ということで信頼感のある情報をSNSと並んで、選択肢として選んでもらえるように」と語った。そして「今回はNHK党の立花(孝志)さんが後半になって、独自の主張を展開し始めたあたり。このあたりで私たちもきちんと何が起こっているのかを報じるべきだった」と反省を口にした。

公職選挙法が存在する以上、大手メディアは公平性や中立制を担保するのが前提であることを、有識者が語る場面もあった。元テレビ朝日社員の玉川徹氏(61)は18日のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で「メディアは法律で縛られちゃうんです。だけどSNSが1つのメディアになっているなかで、玉石混交の情報がどんどんネットの中にあふれてしまう」とSNSの危険性を指摘。その上で「公益を考慮しつつ、今後いろいろ放送を考えないといけない。SNSで『メディアはうそをついたと思った』『テレビ報道は間違ったことをわざとやってる』とか。そういうことを投票した人が言ってるんですよ、現実に。この状況は既存メディア側はどうしていくべきか本当に考えなきゃいけない」と投げかけた。

読売テレビ特別解説委員の高岡達之氏(59)は18日の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」で「テレビは何十年の歴史があって、法律で我々が好き勝手にできないように縛られている」と説明。「我々は公平性という名で、あるいは中立という名で、沈黙をします。これは認めざるを得ない」とテレビ報道の現状について語った。

さらに「そうなった時に、繰り返し映像が見たい、よそのメディアはどうなってるんだと。その役目をYouTubeが果たし、ネットニュースが果たし、SNSが果たしているということ。SNSが自分たちの意見を代弁してくれるって思うのも当然の反応」とした上で「これが今の時代の我々テレビの立っている現実です」とコメント。テレビ界で名を知られた人物たちが立て続けに、選挙報道への問題意識や現状について、苦悩もまじえながら語る状況となっている。

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