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「アンタは天下の西田敏行だろ?」釣りバカ撮影現場「太田屋」女将から“肩パーン”で気合注入


映画「釣りバカ日誌」10作記念感謝祭 トークショーを行った主演の西田敏行(左)と三国連太郎(1997年5月)

西田さんは、2015年のテレビドラマ版「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」(テレビ東京)で、主人公の「ハマちゃん」ではなく三國連太郎さんが演じていた鈴木建設社長の鈴木一之助役を演じた。撮影は映画時代からなじみの神奈川・金沢八景の釣り船「太田屋」で行われた。

「釣りバカ」の撮影現場で何度も訪れた釣り宿だったが、スーさんの衣装で演技するのは初めて。しかも敬愛する三國さんの演じた役とあって、待ち時間では落ち着きなく、オドオドした様子だったという。「太田屋」女将(おかみ)で、19年に72歳で亡くなった太田冨美子さんは、西田さんから「おかあちゃん、どうしよう。俺、スーさんになれているかな」と不安な気持ちを打ち明けられたという。

太田さんは背中を丸めてしょぼんとする西田さんに「何、言ってんだよ、アンタは天下の西田敏行だろ? 堂々としてりゃいいんだよ。大丈夫だよ、ちゃんとスーさんになってるよ」と肩をいきなりパーンとはたいて気合を注入したという。その“肩パーン”があったからか、西田さんは堂々とスーさんを演じた。

太田屋での映画撮影は、三國さんとのコンビでのシーンが多かった。三國さんの撮影が残っている場合、出番の終わった西田さんは、そのまま三國さんが化粧を落とすまでずっと待っていた。その際、女将のつくった釣りたてのアジの刺し身や干物を食べて「おかあちゃん、やっぱりおいしいね」などと舌鼓を打って、おいしそうに食べていたという。【寺沢卓】

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