草なぎ剛（50）が舞台「ヴェニスの商人」（12月6日初日、東京・日本青年館ホール）で主演を務めることが27日、分かった。シェークスピア作品初挑戦の草なぎが希代の悪役、シャイロックを演じる。
同舞台演劇史の巨人、ウィリアム・シェークスピアによる最高傑作。16世紀末のヴェニスを舞台に、深い人物描写と痛快な展開で圧倒的な人気を誇る名作は、時代を超えて愛され続けている。演出は第21回読売演劇大賞・最優秀演出家賞に輝き、現代演劇界で最も実力のある一人である森新太郎氏。古典の常識を覆すアプローチで、歴史ある名作を現代のエンターテインメントに生まれ変わらせる。
草なぎは「シャイロックは今まで舞台で演じたことのないような役なので、すごく緊張しています」とした上で「演出の森新太郎さんをはじめ、共演者も初めての方が多いので、気負わず、新鮮な気持ちで、この作品、この役に挑みたいと思っています。そして、僕自身も思いっきり、楽しみたいと思います」とアピールした。
演出の森氏も「シェークスピアが作品を発表した当時、ロンドンの観客にとってヴェニスはまさに憧れの地でした。ロマンチック恋愛喜劇が繰り広げられるのに、これほどふさわしい場所はありませんでした。しかし、物語は実にメランコリックなせりふから始まります。息苦しさの正体は何なのか、美しき水の都にはどんな“腐臭”が漂っているのか、演出家としてまずはそこを掘り下げていけたらと思っています」。
続けて「今の時代に重なる『ヴェニスの商人』になれば良いのですが。この一大事業に、力のある俳優陣がそろいました。特に草なぎさんがシャイロックを演じられるのは、私にとっても事件でしかありません。シェークスピア劇の新たな地平へ一歩踏み込めるのではないかと、心臓がバンバン高鳴っております」と期待を込めた。
※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字体その下に刀
