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藤井隆 別役実氏の不条理劇で“紳士1”「お客さまが自由に感じていただく舞台」


舞台への意気込みを語る藤井隆(撮影・中島郁夫)

<情報最前線:エンタメ 舞台>

お笑い、テレビ、俳優業と、マルチな才能で存在感を放ち続ける藤井隆(52)。演劇界でも売れっ子である彼が、32年ぶりに上演される別役実氏の不条理劇「カラカラ天気と五人の紳士」(6日から、東京・シアタートラム)に出演する。50歳を過ぎてもカラフルに挑戦の場がある芸能人生。「恵まれている」と「ありがたい」に満ちている。【梅田恵子】

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演劇界のレジェンド、別役実氏の不条理ワールドに、30歳の気鋭の演出家、加藤拓也氏が挑む話題作。懸賞のハズレくじで「棺桶(かんおけ)」をもらった5人の紳士が、それを有効活用しようと「死ぬ方法」を探すことに。途中で謎の女性2人組(高田聖子、中谷さとみ)と出会い、不思議な劇空間が展開していく。藤井は、堤真一、溝端淳平、野間口徹、小手伸也とともに「五人の紳士」のうちの1人、「紳士1」を演じる。

「棺桶というものが登場しますので、『死ぬこと』というものが物語の真ん中にあると思っていただけると思います。女1、女2と、紳士5人が死に向かっていく不思議な物語。暗転がないので、お客さまには同じ時間を一緒に過ごしていただけますし、驚かれることもあると思います」と笑顔で語る。

作品の魅力を聞くと「こちらから『ここを見てください』というのはないんです。お客さまが自由に感じていただく舞台なので」と明快だ。実際、自身の中でも作品の見え方はどんどん変化していったという。「最初に台本を読んだ時はまったく分からなかったのですが、読み進めるうち、紳士は5人いるのになんとなく3人に見える時があったり、けいこの序盤と中盤ではせりふの聞こえ方も違ったり。お客さまがどう思ってくださるか、逆にこっちがいただく立場なんですよね」。

「紳士」の顔ぶれも魅力的で「刺激を受ける」という。

「堤さんはさっぱりと優しい方。楽しくお話しくださるエピソードが後に役作りのヒントになることも多く、頼りになるお兄さん。溝端さんは、40代50代ばっかりの中に入ってくると高校生みたいに見える若いエネルギーがある。野間口さんを見てると、頭のいい人はいいなあと思いますし、小手さんは3手4手先まで深く戯曲を理解しようとなさるのにアプローチが軽やかで」。高田、中谷の「劇団☆新感線」コンビにも「突き進む感じがすてき」と目を輝かせる。

加藤氏の演出には「すごいトライをしている」と信頼を寄せている。「絶対にこうしたい、という形がきちっとあって、でもそれを押しつけず、委ねてくださる。求めていらっしゃることは何手先にもあったりするので、加藤さんの頭の中にある紳士になれるように一生懸命やるだけです」。

生の舞台の魅力を聞くと、「『赤ちゃんです』と言ったら、赤ちゃんだと見ていただけること」と笑う。「映像で赤ちゃん役はさせていただけない(笑い)。舞台は、自分が死ぬ気で信じ切って『赤ちゃんです』『鬼です』とやったら、お客さまがそう見てくださるのが楽しいですね。見てくださる人が目の前にいるのは、一番のエネルギーになります」。観客にそう見えるかは自分次第という緊張の中に常にある。「だから毎回最後のせりふが終わると、『はぁ~、きょうも無事終わってよかった』って思うんです」。

舞台に立つ時は、常に「この1回限り」という気持ちで臨んでいるという。「まだチラシの段階から興味を持ってチケットを買ってくださるお客さまへの感謝もそうですし、今回の出演者に自分を入れていただいているのも本当にありがたいですから。別役さんが書いたせりふ、加藤さんの演出をできるだけ外さないよう、ベストなものを全公演できるように頑張ります」。

■マルチに仕事「ありがたい」

テレビという映像メディアも、演劇やお笑いの生の舞台も大好き。ジャンルレスで仕事をしてこられた自分を「恵まれている」と話す。

「ありがたいなと思うのは、昔も今もテレビに育てていただけていること。スタジオ収録も、ロケで頑張ることも大好きなので、50を過ぎてもテレビの仕事をいただけて楽しいです。同時に、目の前にお客さまがいないと頑張れない舞台の仕事もあって、どっちも魅力的なので」

自身の性分として、「いろんなことができる方が好き」なのだという。吉本新喜劇で仕事を始め、テレビ、音楽などさまざまな道を開いてくれた関係者たちに感謝している。

「新喜劇が楽しかったので、最初のころは新喜劇以外の仕事をするのは困ったなと思っていた時期もあったんですけど、若い時にチャンスをいただけて、いろんなお仕事の楽しさを知って、本当に恵まれていると思います」

ひとつの道を究めるタイプの人への尊敬を語りながらも「自分はきっとできないと思うんですよね。そんな性分をキャッチしてくれていた会社の人たちに感謝しています」。

◆シス・カンパニー公演「カラカラ天気と五人の紳士」 ある日、懸賞のハズレくじでもらった「棺桶」を担いだ5人の紳士がやってくる。有効活用のため誰かが死んでこの中に入らねば、という議論が始まった。そこへ、ショッピングバッグを抱えた不思議な女性2人組が現れる。彼女たちこそ、同じ懸賞の1等賞の当選者たちだった。その1等賞の景品とは。劇作家別役実氏が92年に書いた作品を、加藤拓也氏が演出。6日から26日まで、東京・シアタートラムで。岡山、大阪、福岡でも公演。

◆藤井隆(ふじい・たかし)1972年(昭47)3月10日、大阪府生まれ。92年、吉本新喜劇に入団し、同年初舞台。テレビでも人気者となり、00年「ナンダカンダ」で歌手デビュー。同年、NHK紅白歌合戦初出場。連続テレビ小説「まんてん」「わろてんか」、大河ドラマ「真田丸」などテレビドラマ出演多数。舞台では、宮本亞門氏、野田秀樹氏、三谷幸喜氏らさまざまな演出作品に出演。

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