俳優・勝地涼(31)、笠原秀幸(34)が21日、東京芸術劇場シアターウエストで2人芝居『宇宙船ドリーム号』(演出・脚本:石井裕也)公開リハーサルを開いた。
勝地と笠原が今後のライフワークにすべく立ち上げたユニット『ともだちのおとうと』の記念すべき第1回公演。近未来を舞台に宇宙船販売の職に就くクルピロ(笠原)のもとに幼なじみのロドリゴ(勝地)がやってきたことから、忘れかけていた夢へ向かって2人で宇宙の旅に出るというもの。本作を手掛けたのは、日本アカデミー賞をはじめ、数々の映画賞を総ナメにした映画監督の石井氏を脚本・演出に迎えている。
リハーサル終了後に囲み会見が開催。勝地は小学5年生のころから笠原と演劇をやりたいという目標があったそうで、「ユニットを立ち上げる前から、子供のころから何か2人でやりたいと言っていた夢がきょうようやくかなう日ですし、いい旅立ちになれるように頑張ってきました。正直、まだまだ拙い部分も僕ら2人にはありますけど、全力で届けられたら、何か持って帰って頂ければなと思っています」と、感無量といった様子。
笠原も「勝地くんとの長年の夢がいよいよきょうなんだなと胸が高まっております。お客さんみなさんに楽しんでほしいです!」と、意気込んだ。
劇中映像には2人が憧れるマチコ役で女優・吉岡里帆(24)が登場。これについて勝地は、「正直、僕ら2人舞台の映像に出演してくれると思ってなかったので、『本当ですか!?』って。本当に嬉しかったのでお礼を言いに行こうと思って撮影の日に2人で朝イチから吉岡さんを待ち構えて『よろしくお願いします!』って」と、気持ちを伝えに行ったのだとか。その際に撮影も観ており、「今来ている理由が分かりましたし。『はぁーかわいいなぁ』って」と、眺めていたそうだ。
けいこ期間は1ヶ月だそうだが、勝地は「けいこに入る前にこういう芝居にしたいというので、石井さんと飲みに行って『勝地くん、笠原くんの課題はここだね』と、課題をクリアして行ってけいこを1年以上やっているような感じです。石井さんのワークショップに行ったりとか」と、長い間取り組み続けてきたという。
仲の良さそうな2人だが、笠原は「衝突だらけでした」と笑い、勝地も「けいこ場が険悪なムードになるぐらい」と、意外なコメントが。とはいえ「昔から友達ですし、いくらケンカしても帰りは一緒に車に乗って帰って、『石井さんにこう言われたからこうしようよ』って言ったりして」と、逆に信頼感が増していったと勝地。すると、笠原も「その車はもう1つのドリーム号って言われてたよね(笑)。いいものを作るためにね」と、裏話を披露した。
2人芝居で難しい部分へ、勝地は「1つ狂うと2人でどこで戻していっていいか分からないんです。はたまたズレているのかも分からなくて……自分たちの感情を爆発するところも、自分たちだけになっちゃってないかとか不安もあるんです」と、本舞台ならではの悩みも口にし、笠原も「ほかの芝居だとほかの役者さんが出ているのを見る時間もあるので、こうしようああしようというのがあるんですけど、外から観れない。そこがこの舞台の面白いところであり怖いところですね」と、しみじみだった。
なお、ロビーには小泉今日子、miwa、坂口健太郎をはじめとした、多くの著名人や企業から祝い花が届けられていたが、勝地は「小泉は自分でも演出されたりするんですけど、やるんですよと言ったら『勝地がやるの?行くよ!!』と、すごいお世話になっているかっこいい先輩なので嬉しかったです」と、周囲からも熱い視線を受けているようだった。
笠原から「何かしらいいところ悪いところも共感できる作品です」と、呼びかけると勝地からは「舞台を観て頂いたら僕らのいまできていないこととか、うまくいっていないところも丸裸になるような舞台です。決して綺麗な舞台にならないかもしれませんが、その悔しさとか全部をさらけ出してやるので、ぜひ観てもらいたいです!僕らの“裸”を観てほしい!」と、PRしていた舞台『宇宙船ドリーム号』は21日から10月1日まで東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストにて上演!