『長良グループ 演歌まつり2017』東京公演1部が東京・渋谷のNHKホールで開かれ歌手・山川豊(58)、田川寿美(41)、水森かおり(43)、氷川きよし(39)が全27曲の熱い歌唱で3600人の観客を魅了した。
大手芸能事務所・長良プロダクションの歌手による毎年恒例のステージとなり今回で10回目。今年は山川、田川、水森、氷川4人での初開催で、今月5日の愛知県芸術劇場を手始めに、大阪・フェスティバルホールを経て本公演となる。
前唄としてミュージカル『アニー』に出演する長良グループの子役たちが結成した『アニーズ』による『TOMORROW』、さらに次世代アイドルグループ『民謡ガールズ』が新曲『花鳥風月』と『ソーラン節』を披露し、しっかりと場内の空気を温めた。
そして開演時間。4人が逆光のなかリフターで徐々にせり上がってくるという演出で現れ、名曲『上を向いて歩こう』を歌唱し演歌まつりの幕を開ける。直後のトークでは田川の和装の中に実は“田川寿美”の漢字が隠れているというアピールがあったりと和気あいあいと、お互いの絆の深さを見せていた。
最新曲コーナーから始まり、氷川が3月7日発売の新曲『男の絶唱』を勇ましく。続くデュエットコーナーでは、山川と田川による『誰よりも君を愛す』のデュエットとなったのだが、氷川と水森が遊び心を見せ、歌い出しで加わろうとして観客を和ませ、田川と水森の『ペッパー警部』には氷川だけでなく山川まで“バックダンサー”として加わりノリノリのダンスと、観客を沸かせていた。
カバーコーナーの次には、4人が歌唱しながら場内の通路を巡る人気のラウンドコーナーが開催。観客たちと時間いっぱいまで手を振ったり、握手をしたりと、場内の熱が一段と上がる、まさに熱狂といった光景が広がっていた。その後、それぞれの代表曲を歌うコーナーが行われ、最後は4人で『三百六十五歩のマーチ』を元気よく歌い上げ、全27曲を駆け抜けていた。
1部終演直後には4人が囲み会見を開催。氷川は10年目となる『演歌まつり』へ「先輩方といろいろ乗り越えてきょうの日を迎えられたという喜びと、たくさん『演歌まつり』をさせて頂けることに感謝しています。すごく楽しく自然体でやらせていただけて、言い方は悪いかもしれませんが、気を使わなくていいというか、その場の雰囲気で会話をさせて頂けて(笑)。お客様も喜んで頂けたのではないかと思っていて、充実した時間を過ごさせて頂きました」と言うと、山川も「お互いに気心も知れているし、先輩とか後輩とかではないですし、台本も決まっていないから、誰かが1言言ったらそれに乗って膨らませていく。これは長い間の積み重ねがないとできないよね」と、しみじみ。
水森はコンサートの序盤でそれを感じたそうで「4人で逆光の中で登場するのが絆を感じて」というと、氷川も「あそこは涙が出てくるんですよ」と、大きくうなずく。「10年経つと、きよしくんがツッコミに回るし(笑)」と、水森は成長(?)を感じているようだった。
報道陣からはデュエットコーナーについて声が飛んだが、山川と田川の『誰よりも君を愛す』のデュエットで氷川と水森が入ろうとしたのは完全にアドリブだったそうで、水森は「なんの打ち合わせもなくて、そっち(氷川)がやるならこっちもって思って」とも。『ペッパー警部』の“ダンス”へ山川は、「あれは喜んで頂くというか、1つのノリですし、我々も楽しむと、お客さんも楽しむ。演歌まつりを見てあしたからまた頑張ろうって思ってもらえればね」と、どこまでもファンに寄り添った思いからだったようだが、さらに山川はそのダンスへ「本当は(水森に)やれと言われてたんです。氷川くんに腰の振り方を教えてもらって。最高でしたよ」と、茶目っけたっぷりで氷川は「おなか痛くて腹筋割れそうです(笑)」と笑みを見せていた。
さらに、今年4月16日には『長良グループ 演歌まつり 2017 in沖縄』の開催も決定しているが、実は山川は飛行機が苦手なのだとか。そこで氷川が「山川さんを真ん中にして、(田川と水森と)横に並んで手をつないで行けばいい」と、アイデアを出し「誰かがいれば安心する」と、飛行機移動の不安を吹き飛ばしていた。
また、山川へは16日に心不全のため亡くなった作曲家・船村徹さん(享年84)についてコメントが求められ「本当に残念です。たくさんの作品を出されていて、頑張ろう、って気持ちになれたりする、生活の中に入り込んだ作品ばかりでした。お悔やみ申し上げます」と声を落とす。山川の兄で演歌歌手・鳥羽一郎(64)は船山さんの愛弟子だったことから「電話したら落ち込んでて。でもまあ仕方ないですよ」と、気持ちを汲んでいた。