映画『ジャングル・ブック』(監督:ジョン・ファヴロー/配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン)先行特別上映会が10日、東京・丸の内ピカデリーで開かれバギーラ役・松本幸四郎(73)、バルー役・西田敏行(68)、ラクシャ役・宮沢りえ(43)、シア・カーン役・伊勢谷友介(40)が登壇した。
赤ん坊だった男の子・モーグリは不慮の事故により肉親と離れ離れになり、そこを黒ヒョウのバギーラに拾われる。バギーラはモーグリを母オオカミ・ラクシャに託し愛情たっぷりに育てた。やがて少年となったモーグリはとりまく動物の仲間たちとの出会いや別れを通じて、「自分らしく生きる」事を決意していくことになり……。ウォルト・ディズニーが約50年前に残した遺作を作家ラドヤード・キップリングの小説『ジャングル・ブック』と『続ジャングル・ブック』の厳粛なトーンやモチーフを入れ、生きる力とは何かを問いかけてくるような作品に仕上がっている。
バギーラで声優初挑戦となった、松本は、「中学生のころのあだ名が黒ヒョウで、父はマンモスと言われていたんです」と、自身との共通項があり親しみを感じていたのだとか。バギーラを一言で現すと「愛ある師」だそうで、「若い妻の黒ヒョウとともに、子供を亡くしていると思ったら、バギーラの様子が違って見えて、そこで失った愛をモーグリに捧げたんじゃないかなと思いましたね」と、深い話を。
一方、西田は、マイペースなクマのバルーをジブリアニメ『となりのトトロ』のトトロのようだといい「いてもそんなに役にたつわけじゃないけど、いないと寂しいやつ」といい、ゲストの中で唯一歌うキャラとあって、司会からアカペラ歌唱を無茶振りされることに。劇中とは違う曲を歌い出しお茶目な様子を見せると、観客から『もしもピアノが弾けたなら』をリクエストされ、「カラオケじゃないんだから(笑)」とたしなめつつも歌ったりと、盛り上げた。
さらに、西田は今年1月にベッドから転落しけい椎を亜脱臼、さらに胆のう炎手術しため4ヶ月の入院をしていたことを語りつつ、「退院したら、その最初の仕事がこのバルーの声だったんです。入院中にベッドにテレビを置いて、バルーの歌を練習していて、看護師さんが『いい歌ですね』と言ってくれたので、覚えるのに苦労はなく楽しく覚えさせて頂きました」と、エピソードも披露していた。
そんなさなか、宮沢へはもしモーグリのようにジャングルに置き去りにされるということがあったらどうするかという話になり、「人間、音楽とユーモアがあれば生きていけると思っているので、楽器になるようなものを探します」とのんびりした口調で話していたが、伊勢谷は「音楽で大丈夫なんですか!?」と、驚かせる一幕もあった。
松本から「お父さん、お母さんに観てもらえればなおいいお父さん、お母さんになると思います」と、アピールしていた映画『ジャングル・ブック』は11日より全国ロードショー!