『ロマンシング佐賀展』が7月30日より佐賀・佐賀県立美術館で開幕した。
本展覧会は、人気ゲーム『サガ』シリーズと佐賀県がコラボした『ロマンシング佐賀』の一環。『ロマンシング佐賀』は2014年3月に東京・六本木ヒルズで『ロマンシング佐賀LOUNGE』として開催し、企画の面白さに4日間で約7000人が詰めかけるという盛況ぶりを見せた。そして15年は佐賀県で実施され、唐津市へのラッピング列車が走り話題となった。そして、『ロマンシング佐賀3』として3度目となる今年は、約70点の原画や貴重な設定資料などが無料でお披露目されることとなった。
同日開催されたオープニングセレモニーでのテープカット直後には、株式会社スクウェア・エニックス 『サガ』シリーズ・エグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏、『サガ』シリーズのイラストを手掛ける小林智美氏、株式会社スクウェア・エニックス 『サガ』シリーズ・プロデューサーの市川雅統氏の3人が記者会見に臨んだ。
『ロマンシング佐賀展』を来場者より先行してめぐってみて、市川氏は、「広くてすごく驚きました、いままでのイラストがすごく美しく映えてますね」と、空間との調和に感じ入ったそうで、小林氏は、「なんかの開発資料が展示されるのかと思ったら自分の絵が多くてビックリしたんです(苦笑)。アトリエだと普通に置いてしまっているのですが、マットを張って額装されるとおめかしされたような感じです」と、我が子たちの晴れ舞台といった気持ちのよう。河津氏は、「壮観だなって感じました。スクウェア・エニックスの社員でも、こんなに並んでいるのは誰も観ていないんですよ。これは素晴らしいことだなと思います」と、話していた。
3度目となる佐賀県とのコラボへ市川氏は、「人が熱いです。どのコラボ先の方もそうですけど、どうしたら佐賀の魅力を伝えられるのかというのを考えていて、そういった方々と一緒にものを作れるというのは良かったです」と、今後の仕事の参考になったよう。
続けて、河津氏も、「私も九州出身なのですが、佐賀県だからできたという気がしています。佐賀県とスクウェア・エニックスの両者で、いい感じに続けられていますね」と、実感を語り、12月まで続く『ロマンシング佐賀3』への展望へは、「どういう反響があるのか手探りなので、少しずつという感じです。われわれも含めてレベルが上がってくればというので継続的な感じでやっていければ」と、前を向いていた。
ほかにも、『ロマンシング佐賀3』ということで、ゲームの方の『ロマンシング サ・ガ3』の制作時のことを振り返ってもらうと、小林氏は、「河津さんから『今回こういうテーマなんで』と、丁寧に話してくれたことがあって、そのテーマはなんなのかお話できないんですが、すごく感動するものでして、人間がいつか感じるであろうことがテーマになっているんです」と、約20年経って明かされる秘話が。
河津氏は、そんな小林氏を横目に見ながら、「ゆきだるまとか、ロブスターとか、ちょっと変わったキャラクターがいますよね。それで、ゆきだるまを小林さんにお願いした時に、ヨーロッパ風の3段になったゆきだるまを出してきたので、『日本風のトタンがはまっているやつで』といったことがありました。ロブスターは背中に後ろに星がありましたけど、指定はしてないんです。でも、何も言わずに描いていて、お願いした以上のものができてきました」と、称える。
興が乗ってきたのか河津氏は、小林氏の話を続け、「『ロマンシング サ・ガ2』のときにはトカゲとしかお伝えしていなかったんですけど、小林さんはエリマキトカゲを描いてきたんです。これは社内の人間は描いてこないと思っています」という、クリエイターとしてのエピソードを披露することもあった。
また、今回のコラボグッズも続々と出ているが気になるものはないかと尋ねると、市川氏は「ブラックモンブランのゆきだるまというキャラクターです。合うもの合わないものというので、いい感じで仕上がっているのでは。それと、『佐賀丸 焼き海苔』ですね」とのこと。ちなみに、このパッケージにロビンが描かれたことへ、「服装の色合いです」と、明かし報道陣を沸かせていた。
『ロマンシング佐賀展』は7月30日から9月4日まで佐賀県立美術館にて!なお、同所では同時開催で『キングダム展 in 佐賀』も開催している。
■佐賀県立美術館
住所:佐賀県佐賀市城内1-15-23
営業時間:9時30分~18時
定休日:月曜日