「これを不倫だと思いますか? それとも純愛だと思いますか――?」というキャッチコピーに、ネット上で賛否両論渦巻き、話題になっているのが、女優・武井咲(22)と俳優・滝沢秀明(34)主演で7月12日よりスタートする連続ドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS系、火曜・午後10時~)だ。
同ドラマは、オトナの恋愛コミック誌『プチコミック』(小学館)に連載されていた、北川みゆきの同名マンガが原作。ティファニー広報部で働く主人公・栗原未亜(武井咲)が恋に落ちたのは、自社の副社長・三好海里(滝沢秀明)。しかし、三好は既に妻を持つ立場だった・・・。この2人の禁断の恋愛を軸に、複雑に絡み合う人間模様を描いていく。
そのドラマに、武井演じる主人公・栗原未亜と小学校からの親友でルームシェア仲間のひとりである真咲あかりを演じている女優・水沢エレナ(24)にドラマの見どころから、ドラマのテーマともなっている“オトナの恋愛”についての考えを聞いた。
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水沢演じる真咲あかりは、出版社で文芸誌の編集者をしている恋愛に奥手な25歳。主人公のティファニー広報部で働く栗原未亜(武井咲)と、恋に奔放、独占欲が強いモデルの美山千明(トリンドル玲奈)とは、小学校から同級生の幼なじみ。いまは3人がルームシェア仲間という親友だ。
真咲あかりについて水沢は、「しっかりして真面目な女の子。ツンデレではなくツンツン。私もプライベートでそう言われた事があるんですよ。だから、すごい今回共感できるんです」と、役柄とプライベートでの水沢は、考え方などに共通点が多く、自然体で演じやすいという。
今回、役柄に合わせて胸下まであった長い髪を5年ぶりにバッサリと切った。
「今回髪を切ったのは、衣装合わせに行ったとき、監督さんから、『髪を切ってほしい』と、言われ事がきっかけです。髪が長いと女性らしさが出ると思うので、髪を切ることで役柄的にサバっとした印象や、よりキャリアウーマンっぽさを出せるということと、恋愛に対して奥手というギャップが出ると思ったので、ぜひ切ってみたいと思いました。女優というのは、役があって成立するものなので、役で変われるのは、私自身すごい喜びを感じられる。新しいことや初めてのことに挑戦できるという事が、ワクワクで楽しみです」
ドラマでは、あかりのキャラクターが見た目では、衣装にも表れる。
「咲ちゃんと玲奈ちゃんは可愛らしい洋服なんですけど、私はいつもネイビー、カーキー、グレー、スーツっぽい衣装。部屋着も2人はフリフリやふわふわなのに、私はすごくカジュアル。でも、プライベートもわりとそっちよりなので、違和感なく演じていて、いい意味で楽でいられますね」
髪を切ったことでプライベートでも印象に変化があった。「しっくりきている」と同時に「髪型で印象が違う事」に改めて気が付いたという。
「髪を切ってから友人・知人に会うと。『印象がフレンドリーになった。こっちのほうがモテそうだ』と、言われました(笑)。私自身も印象が全然違って見えたんですけど、違和感はなかった。しっくりきています。髪が長いと自然と女性らしさが出るのに、切ると女性らしさは一切なくなってしまったので、プライベートから女性らしさをしっかり出したいと思いましたね。ロングに甘えてました(笑)」
プライベートでは、ジーンズ・Tシャツ・スニーカーというラフなスタイルが一番好きという水沢。髪が長いとそれだけで、アクセサリーっぽくなるが髪が短いと、それが全部消される。「髪の長さひとつでこんなにも印象が変わるんだ」と、髪型の大切さを改めて感じたという。
このドラマのテーマである「不倫」。あかりは否定派であり、(美山)千明(トリンドル玲奈)は、肯定派。
「あかり的には、未亜がなにか(三好)海里(滝沢秀明)のことであると、『だからいったじゃない!ヤメなよ!ダメだよ』と、ずっと全力で止めてます。未亜が悲しんだり、苦しんだり、悩んだりしているのを観て、いっしょに心痛めてる。ある意味、家族以上の思いがそれぞれ3人の中にあって、あかりは未亜が傷つくのを観たくないから、絶対に止めたい!という姿勢なんだなと思います。
一方、千明は、イケイケです(笑)。セリフで『不倫っていったって、ひとりの男と女だろ。自分の気持ちに素直になれ』と、恋愛観を象徴するセリフがあって、私は自分で言うセリフよりも、そっちのほうが印象的でした。あかりと千明は真逆ですね。あかりらしいセリフに、『私は本気の人しか相手にしません』というのがあります。本当にあかりらしいセリフだなぁと思います」
その場面とは、1話で登場する。ティファニー広報室で働く栗原未亜(武井咲)、自社の副社長・三好海里(滝沢秀明)、未亜の親友でルームシェア仲間の真咲あかり、美山千明に加え、海里の後輩で、あかりが担当する証券マンにして新進気鋭の小説家・久野淳志(中村隼人)の5人でバーにいるシーン。
「他の人がいるにもかかわらず、久野は、あかりと千明をふりまわすんですよ。悪い男なんです。そんな久野に対して、あかりは、『私は本気の人しか相手にしないんです』と、いうんです。久野は、編集者でもあるあかりが担当している小説家なので、あかりにとってはビジネスパートナーでもあります。仕事でもプライベートでも、『私は本気の人しか相手にしません』というあかりに対し、久野は、ますます面白くなってきたみたいなことを思ってしまうタイプなんです」
仕事ができる男性はカッコイイしモテる。特に30代後半から40代で、仕事をバリバリしていると、憧れの先輩(上司)になる。まさに、美亜が海里に惹かれていくように、既婚者でも憧れから惹かれていくと・・・。
「私は、惹かれたとしても、仕事上や会社の上司であったり、同じ環境にいる場合だったら、ビジネス関係以上にはぜったいならない。好きだと思ったら、プライベートで2人だけで食事にいったり、連絡を取り合うことはしないです。上司命令で2人で食事? それは仕事だからいいんですけど・・・。(ライター「話の初めはビジネスでも、お酒がはいり、徐々に・・・」)そういうずるがしこい人は嫌です。縁がなかったって自分の気持ちにストップかけます。(役の真咲)あかりと一緒ですね。松田聖子さんが、『生まれ変わったら一緒になろうね』と、おっしゃったことがあると思うんですけど、まさにそれです私は!縁がなかったということで諦めます」
もうひとつのみどころが、真咲あかり(水沢)、美山千明(トリンドル)と小説家・久野(中村)が、2人を引っ掻き回して三角関係に・・・という、サブストーリーともいえる恋の行方。
「まだ、先なんですけど、千明は久野といい感じになったり、ちょっかいだすので、それに対して、千明に怒って、関係が悪くなったり、友情にひびが入りそうになることもありました。もどかしいというか、久野がずるいんですよ。あかりと千明を天秤にかけて、心はあかりで体は千明みたいな感じで、表面上は二股かけている状態だけど、本当はどちらとも付き合ってない。観ている方は、どういう関係なんだろう。最終的にどうなるんだろうと、もどかしいと思います」
友情と愛情どちらが勝るのか!?など、も見逃せない。ところで、三角関係になってしまったら、水沢はどうするのか?
「(ドラマと同じような状況で)親友だったら、私は身を引くと思いますね。恋愛よりも友情です。親友はなかなかなれるもんじゃない。男の人より友情ですね。友情の方が絶対大事です。男の人は縁がなかったということで(笑)。親友は、いろんな経験や思いを重ねてきて成り立った関係だから。いま目の前にある恋心で潰したくないです」
水沢も、役柄と一緒で、恋に奔放な千明タイプよりは、恋に奥手というか真しに向き合うあかりタイプのようだ。
最後に、このドラマの見どころを。
「女性3人の友情とそれをとりまく恋。いろんな恋愛がいくつも出てきます。女性3人は25歳。キャリア的にも悩む年代。仕事に恋愛に悩みつつ、でも、キラキラした感情があって。一生懸命いまを生きている女性たちの姿はリアリティーあるキャラクターだと思います。共感しながら観ていただけたら嬉しいです」
さまざまな恋愛パターンが出てくるので、女子としては、3人の女性の誰に共感し、誰視点で見ていくのか、また、それぞれの考え方で恋愛議論が大いに盛り上がる。さらに「1話で一気に出会って、そこからどんどん動いていくので、展開が早いなという印象」なので、1話から目が離せない。
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■ストーリー
仕事で出張に出ていた栗原未亜(武井咲)は、交際中の彼氏である山下陽太(高橋光臣)からプロポーズされた際に貰ったエンゲージリングを出先で無くしてしまう。焦る未亜だったが、その場に偶然居合わせた男性の協力もあり、無事に見つけ出すことに成功。
ホッとしたものの、仕事が生きがいである未亜は内心、「仕事を辞め、実家に付いて来て欲しい」と言う陽太の一方的な提案を受け入れる気持ちになれず、その申し出を断ろうとしていた。
出張から戻った未亜は、研修の一環で広報部に来た、自社の副社長の三好海里(滝沢秀明)の顔を見て驚く。なんとその副社長とは、出張先でエンゲージリングを共に探してくれた男性だったからだ。しかも彼の教育係として、未亜は行動を共にすることになる。
数々の困難に襲われながらも奮闘する未亜の仕事ぶりに対し、「せいせいするほどやってみろよ、天職なら」と、時に厳しく、時に優しく見守ってくれる海里。そんな海里に未亜は少しずつ心惹かれていく。
そんなある日、未亜は突然、ストーカーと化し社内に乗り込んできた陽太に襲われる。震えて逃げる未亜だったが、そこに居合わせた海里に助けられ、キスされてしまう――。
連続ドラマ『せいせいするほど、愛してる』(TBS系、火曜・午後10時~)は、7月12日よりスタート。