米ドラマ『SCORPION/スコーピオン シーズン2』日本語吹替え版声優キャスト取材会が11日、都内で開かれウォルター・オブライエン役の杉田智和、ケイブ・ガロ役の谷昌樹、ペイジ・ディニーン役の小林沙苗、トビー・カーティス役の福田賢二、ハッピー・クイン役の田村聖子、シルヴェスター・ドッド役の原田晃が、収録の裏話などを語った。
『スコーピオン』は、米CBSネットワークにて2014~15年シーズンの新作として放送され初回エピソードで2615万人の視聴者数を獲得し注目を浴びた痛快犯罪捜査エンターテインメントドラマ。15年9月からシーズン2の放送がスタートしており、すでにシーズン3の制作も決定している。
物語は、こどもの頃、NASAへのハッキングをしかけたという経歴を持つ、IQ197のコンピューターの天才ウォルターが、天才ながら社会性の乏しい仲間たちと設立した会社『スコーピオン』を軸に展開。政府や民間からの依頼を受けて、盗難や誘拐事件から、墜落した軍用機からソフトウェアを回収、テロや諸外国の戦争阻止まで、さまざまな難事件を解決していくというもの。本シーズンでも核兵器の脅威に立ち向かったかと思えば、刑務所に潜入し潜水艦にも乗船したり、暴走する地下鉄に乗り合わせたりとさまざまで、キューバ、カザフスタン、果ては南極、アフリカなど国境を超える活動などもし、より活動範囲が広くなった。
実は、これまで日本版チーム“スコーピオン”による報道陣への取材対応は初めてなのだとか。シーズン1後から約1年ぶりに集まって収録をしているそうだが、それぞれに気負いのようなものはなく、事前に何か準備することもなく現場でキャスト同士で顔を見て思い出し、スッと役に入れたそうだ。
杉田は普段、アニメの世界での活躍が多く海外ドラマシリーズのレギュラーは本作が初。何か特別に心がけたことはないかと尋ねると、「(アニメと)一緒じゃないですかね」という杉田は、「吹き替えだと、すでに映像が完成している状態で入れて、台本に書き起こされていない部分もちゃんと聴くようにしています。それが、楽しい部分もあり、ストレスにも感じることがあります(苦笑)。なんでこういうこと言うんだろうなとか。吹き替えのニュアンスにかんしてはもしかしたら、翻訳家はキレているんじゃないかなと思うんですけど、気に入らないと勝手に変えるんで。もし、キレてたらすいません!でも、やめません」と、“悔い改めない”スタイルのこだわりを。
IQ197の天才を演じることへ、杉田は「天才かどうかは自称で言う者ほど信用出来ないものはない。ほかから天才と言われているんだったら、自然に受け入れられるかもしれないんですけど、そういう評価を聞いたことがない。なるだけ、情報量として台本に書いてあること、映像の中にある向こうの役者の芝居をどれだけ感じられるか。芝居で組み合わせたときに出てくる反応とかを意識しています」と、ポイントを語る。すると、田村が「杉田さんと初めて会った時にすっごい頭良い人だと思った」と、レスポンスがあり、「でしょ!……でも、ただの脳筋野郎だった(苦笑)」と、楽しげなやりとりが。
シーズン2でも吹き替え版があるほど人気だが、杉田は「放送している『スーパー!ドラマTV』はお金を払わないと加入できないので、それだけの価値があるものっていったらどこにあるのかなと思って。吹き替えだからこそ生かされる部分を感じてもらえればと思っています。自分が子供の頃に観ていた、『特攻野郎Aチーム』とか『俺がハマーだ!』とかは吹き替えじゃないと面白くなかったので、それと同じ価値をと思って。あの当時の大人が観ても楽しいよって言ってもらえるようなものだったらいいなと思っています」と、込めている思いを語った。
【後編(声優・杉田智和 “胸揉むアニメ”で感じた谷昌樹への信頼感!小林沙苗らは「引っ張ってもらってる」)へ】