女性ダンス&パフォーマンスユニット『E-girls』の石井杏奈(17)、4人組ロックバンド『黒猫チェルシー』ヴォーカルで俳優・渡辺大知(25)、俳優・柾木玲弥(20)、前田航基(17)が23日、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで映画『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』(監督:井上剛/配給:トランスフォーマー)初日舞台あいさつを開いた。
故郷・福島の同級生から立ち入り禁止区域内にあるタイムカプセルを掘り出しに行くことを誘われた朝海(石井)が、同じ誘いを受けたクラスメイトらと福島を目指すなかで起こる感情などを丁寧に描いたドラマ。2015年3月にNHKにてドラマとして放送され、新カットを加えた再編集版となる。そんな本作を手がけた井上監督は、阪神大震災の被害に遭った若者たちの15年後の心情などを描いたドラマ『その街のこども』を手がけたり、2013年に人気となった朝の連続テレビ小説『あまちゃん』でチーフ演出を務めたことでも知られている。
石井は撮影から2年しての劇場公開へ「たくさんの方にこの作品を観て頂けるというのは嬉しいですし、ドラマとは違った映画版になっているので観て頂ければ」と、思いを口にする。
柾木は「本当の神戸、福島に行って撮影させて頂きました」と話すと井上監督は「彼らが人のいなくなった町ではありますが、どうなるのかというのを一緒に体感して頂ければ」と、込めた思いを口にした。
見どころについて、石井は「作品の中にたくさんの言葉が出てきて、自分の中でも心に沁みた言葉が出てきます。それと、私自身がこういう現実があるというのを知らないでずっといたので、いまの福島や神戸と面と向かって向き合うことができた作品になったので、多くの人にこういう思いになってもらえたらと思っています」と、気持ちの共有を訴える。
渡辺は「神戸と福島の2人がすれ違い、そこからどう寄り添っていくのかを観てほしい。人は100%理解し得なくても、お互いのことを考えたり思ったりすることで、寄り添っていけることを感じられると思っています。スタッフ・キャストみんなでもがきながら、どんなものになるのか分からないなかで作って、そんな姿をとかを観てもらえれば。パワーのある作品です」と、とつとつとながら、思いの丈を語っていた。
そんなキャストたちを尻目に井上監督は目を細めながら「彼らは1人1人熱演しています。本当に難しかったんですが、1人1人乗り越えて自分なりの表現を獲得していて、若い才能だと思います。そこを楽しんでもらえたら」と、成長を見守っているようだった。
映画『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』は23日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!