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正解がない音楽づくりで日本の子供達の自由な想像力を育む教育を。ロンドン交響楽団の音楽ワークショップを日本の中学校で開催


BritishCouncil

英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルは駐日英国大使館とともにブリティッシュ・カウンシルでは「Dsicovbery For 2021」と題し、様々な文化交流事業を展開しており、その一環でロンドン交響楽団とパートナーシップを組み、ロンドンと日本の音楽家たちによる小中学校、高齢者施設、障害者施設での音楽づくりワークショップを開催。オーケストラや音楽家と、多様な地域社会との関わりを推進するプログラムを実施している。

実際に日本とロンドン交響楽団の音楽づくりに対する考えや音楽の教育方法は異なる。日本では同じ楽器や曲を1クラス全員で習ったり、一音たりとも間違えないことが正解となったりするものの、ロンドン交響楽団の音楽づくりのメソッドに正解はなく、自由に音をだせる。この取り組みは日本の子供達の自由な想像力を育む音楽づくりに繋がるのだ。

更にロンドン交響楽団は一流の指揮者による7つのコンサート公演を4つのアングルから同時に見ることができるなどの機能を兼ね揃えたweb アプリ「LSO Play」日本語版の配信を開始。これは日本の学校教育には珍しいクラシック音楽を題材にした音楽作りの授業案も提供しているため、今後の日本の音楽教育をの現場で活用できるツールである。今までは日本の教育現場に英国からロンドン交響楽団のトレーナーが来日しワークショップを行ってきたが、コロナ禍となり、来日が困難となった。そのためこのアプリも活用しつつ、今まで実施していたロンドン交響楽団式ワークショップを日本の音楽家によって日本の中学校の音楽授業で行うこととなった。

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今回は渋谷区立上原中学校の2年生を対象に同中学校の音楽の授業で、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」をテーマにした音楽づくりワークショップが日本人3名の音楽家によって実施された。講師を務めたのはヴィオラ奏者の磯氏、コントラバス奏者の村松氏、フルート奏者の磯野氏である。中学生5〜6人を1グループとし、全部で6グループに別れてチームで作曲をする。使う楽器は電子ピアノ、トライアングル、クラリネット、トロンボーン、パーカッション、木琴など様々で自由に音を出しグループで話し合いながら作曲するスタイルだ。

先ず講師はドビュッシーの音楽は眠りを表現した後に夢を表現、その後にまた眠りを連想させる音楽がきてサンドウィッチされていると作曲家がイメージした曲調や構成を中学生に伝える。中学生はそれに伴い、自分たちが考える眠りを表現した音楽と夢を表現した音楽を短いフレーズでグループごとに作曲する。それを最後にみんなの前で発表、全グループで順番に演奏することで一つの曲にする。眠りと夢という表現テーマがあるものの、各グループで全く異なる曲ができ上がり、そこには正解がなく枠にとらわれない表現力が肯定される時間が生まれる。

講師として担当した音楽家に話を聞くと、磯野氏は音楽を作る楽しさを伝えたい。そして教えることで演奏家にとっても曲が更に分解できて学びになっていると言う。また、「LSO Play」の機能の充実さやこれを使うことで作曲家の擬似体験と教育現場に活用できるのが素晴らしいと話してくれた。

磯氏は日本の音楽の授業だときっちり音楽を奏でないといけないとなりがちだが、このワークショップの作曲には正解はなく自由な発想を大切にしていると言う。それは音を鳴らせば音楽になるので楽器やコミュニケーションが苦手な子も参加しやすく気づきが多い。そして子供達から間違ってはいけないという固定概念が外れ、表現力が豊かになり、楽しめるようになると話す。

村松氏は自身の経験から日本のオーケストラには自由に表現する土壌があまりなかったと話す。日本人は教育を通して間違えることへの恐怖心が海外に比べて大きいように見受けられる。そのため、これをきっかけに日本の教育の場にも子供達が自分で考えるゆとりの時間が生まれたらいいと言う。

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このような取り組みは日英の絆を深めると共に、異文化の枠にとらわれない教育方法が日本にも入ってきて日本の子供達にもいい影響を与えそうだ。

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