テンカイズα。この番組は、TBSラジオで放送中「テンカイズ」の番組内だけでは紹介しきれないアツイ人たちをYouTube限定で紹介して行く番組。様々な業界で活躍する人に迫ります。
今回のゲストは横浜市に密着した救急医療を行う「医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院」副院長・郭樟吾さんです。
脳神経外科東横浜病院とは?
宇賀なつみアナウンサー(以下、宇賀)「では早速ですが、東横浜病院ではどんな治療を行っているんですか?」
郭樟吾さん(以下、郭)「当院では30年以上前の開院当初から脳卒中(1分1秒を争う脳出血や脳梗塞のこと)の患者さんを中心に救急医療を展開しています。他にも脊椎、や脊髄なども専門的に診療を行い、脳から脊髄にかけてオールラウンドに治療している地域密着型の病院です。」
宇賀「だいたい年間どれくらいの方を見ることになるんですか?」
郭「詳しく数えたわけではないですが、救急患者だけで年間約3000人以上は診てますね。」
宇賀「3000人!それは何名の医師の方が診ていらっしゃるんですか?」
郭「ドクターと、後はコメディカルのスタッフを含めると100人くらいなんですけど、ドクターでは5人ですね。」
宇賀「それって少なくないですか?」
郭「はい。かなり少ないですね。」
組織づくり
宇賀「どうやってやりくりをしているんですか?」
郭「5人で年間3000人、プラス普通の外来の患者さんも含めると、もう万っていう単位になってしまいます。基本的にはそれを診るとなるとかなり大変なんですけど、『動線』を意識してコミュニケーションをとりながら、コメディカルスタッフと連携しながらやっています。うちはだいたい31年続けているんですけども、ずっと地道にやっていますね。」
宇賀「やっぱり医師は一人ひとり独立しているじゃないですけど、職人として存在しているようなイメージで、円滑なコミュニケーションとはちょっと遠いところにあるのかなというイメージだったんですが。」
郭「その通りですね。僕も研修医だったときは上の先生の背中を見ればいいという感じでした。若い方が技術を高めるためにはただ『見ろ』というのではなく、やっぱりやらせてみて分からないことは常にきちんと口に出して伝えるというのが重要です。確かに外科医は職人の世界なんですけど、それをもうちょっと今の時代のニーズに合った形の指導で職人を作っていくという感じですね。」
コロナ時代の医療
宇賀「今年は新型コロナウイルスの影響がいろんなところに出ていると思うんですけど、実際現場では変化がありましたか?」
郭「最初は見えないものに対する恐怖というのが我々の中にジワッと浸透してましたね。それがちょっとしたパニックだったり、普段できる業務の停滞であったり、あるいは当院は残業がほとんどないんですけど、残業がどんどん増えていったりとか、そういったことが起きました。そういったことを是正するために私がしたことというのは、やはりトップとして安心感を与えるということでした。その時は実は何の根拠も無かったのですが、『とにかく大丈夫だから』と。また、もし仮にコロナ感染が院内で起きたとしても、その時はきちんと解決できる策があるから大丈夫だという安心感をまずは与えましたね。」
宇賀「救急医療において、今後より大切になってくることって何だと思いますか?」
郭「年間3000人以上の救急患者を受け入れているということは、いつかはコロナにぶつかるというか、立ち向かわなければいけない時が来ると思うんですね。でもコロナに限ったことではなくて、今後も想定外のトラブルというのは絶対出てくると思うんです。その時に我々がどう立ち向かうか、立ち回るかということを常に考えるのはこの救急医療で重要なことなのかなと思いますね。」
郭樟吾×テンカイズ
宇賀「では最後に郭さんの今後の展開を教えてください。」
郭「当院は地域密着型の救急指定病院ということもありますので、今後は新病院建設も踏まえてこの横浜市において、脳神経外科に特化した救急病院のベンチマークとなる病院に、名実ともになっていければいいかなという風に考えています。」
宇賀「ありがとうございました。」
テンカイズ
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医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院
https://noukyukai.or.jp/
医療法人社団のう救会 脳神経外科東横浜病院は横浜市神奈川区にある脳神経外科の専門病院。24時間脳神経外科医による救急医療体制を築き、患者へ的確で高度な治療を提供。年間の救急受入患者数は約3000人、年間手術数は300件を超え、地域医療の貢献に努めています。