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独自の切り口でスポーツ業界を盛り上げる「株式会社MPandC」代表・森下尚紀氏が自身の手掛けるスポーツビジネスについて語る


「KENJA GLOBAL」。この番組は、現代を生きる「KENJA=経営者」の言葉を、独自の視点で捉え、視聴者にお届けする経営者インタビュー番組です。

今回、その「KENJA GLOBAL」に株式会社MPandC(エムピーアンドシー)・代表取締役社長・森下尚紀さんが登場しました。

株式会社MPandC

株式会社MPandCは独自の切り口でスポーツ業界を盛り上げるべくアプローチをする企業。スポーツを活用したコンサルティングや、イベントの企画などスポーツビジネスの総合マネジメントを通し、業界のさらなる発展を目指しています。

森下尚紀さんインタビュー

株式会社MPandC・代表取締役社長・森下尚紀さんは1972年に東京で誕生。幼いころに見た本物のアスリートの魅力に心を奪われたといいます。

森下尚紀さん(以下、森下)「小学生の時にラグビー日本代表の選手たちが教えに来てくれたんですよ。太ももの筋肉一つとっても違うし、声の張りも違うし、その時の本物の体験というのが自分に大きな刺激を与えてくれたなと思いますね。」

その後の学生時代はサッカーに打ち込み、関東大学選手権では得点王に輝く活躍を見せた森下さん。Jリーグ開幕という時代の流れにも後押しされ、プロアスリートに向けて突き進んでいきました。しかし、その後の怪我で運命は大きく変わってしまいます。

森下「前十字靭帯断裂をしまして、選手生命としては終わるという形になってしまいました。コンクリートとか本来はランニングシューズに履き替えて走らなきゃいけない所をスパイクで走っていたからじゃないかと、病院の先生に言われまして、そんなこと誰も教えてくれなかったぞ、と思いましたね。人生絶望というよりかはその時点で俺は支える側にまわっていこうという想いが湧いてきました。」

怪我をしたことで生まれた新たな決意。スポーツ用品業界を経てアディダスへ転籍すると、森下さんは自身の決意を形にするチャンスを得ることとなります。

森下「当時のヨーロッパのサッカースパイク、シューズはアジア、日本の足型と全然違ったので、なかなかサッカー選手から支持されていなかったという状況でした。それを受け、選手のパフォーマンスを上げるだけではなく、選手の体、足を守っていくサッカースパイクを開発していこうと思ったんです。また、作るだけではなく、こういう靴が良い靴なんだよということも教えていこうと思いました。」

自身の苦い経験を原動力とし、苦労の末作り上げたスパイクは中村俊輔選手などの日本代表選手や、世界で活躍するデイビッド・ベッカム選手などから大きな支持を得ました。さらに森下さんは日韓ワールドカップに合わせ、「日本ブルー化計画」を立ち上げ、熱狂は日本中を包み込み、サッカー文化の大きな発展に寄与することができました。しかし、その歩みは思いがけない形で止まることとなってしまいます。

森下「青山学院大学の講師をやらせていただいたことがあって、その時に世界のスポーツ市場について話したのですが、アメリカはこの20年間で3倍、イギリスのプレミアリーグもこの20年間で3倍、しかし日本は6兆円が5.5兆円となっていたんです。学生の前で最初は意気揚々としゃべっていたんですが、それを自分で言った瞬間に『あれっ?俺何してたんだろう』と思ってしまったんです。日本の市場を自分がリードしてきたと思いきや、儲かっていたのは外資系のアディダスだけだと。日本のスポーツ産業、日本の未来を背負って立つ子どもたちにとってなんの良いこともしていなかったと思いました。」

スポーツ業界を取り巻く環境を本当の意味で発展させ豊かにしたい。森下さんのその想いは起業という一つの答えを導き出していました。森下さんは新たなステージでスポーツビジネスの根幹に存在していた意識の改革に着手していきます。

森下「やっぱりMPandCの一番の良いところって、スポーツの価値を高めていくこと、アスリートが社会で活躍しやすい環境を作っていくということだと思います。アスリートの価値って日本では今本当に低いんですよね。企業からなかなか必要とされていないというのが現実なので、そこを我々が『アスリートってこういう良いところがあるでしょ』って教えていっています。また、アスリートの方が週5日間練習するのならば、2日間は仕事のスキルを磨いていこうよということで、OJTの場でお仕事をしています。そうすることで彼らのアスリートとしての力と、お仕事の中の技術、スキル、学びというものを、選手をやりながら同時に学ぶことができる。これがデュアルキャリアです。引退したアスリートにも足りていない所を教育してあげながら一緒に歩んであげたりと、アスリートの価値を高める活動をしています。」

アスリートの価値を高め、スポーツを通した新たな文化を創造する。森下さんはアスリートやプロスポーツチームとファンがつながることができる新たなツールの構築や、スポーツを通した子ども向け教育活動の企画など、多岐にわたる事業を次々と展開していきました。その瞳が捉えていたのは、地域、そしてそこに住まう人々に根ざした事業でした。

森下「いま考えているのは、その街の中でスポーツの指導者、育成人材として活躍しながらフットサルもやって、地域のシンボルとしてプロリーグで活躍してもらうという形です。早ければ2023年に街が完成して米原というところの初のプロスポーツチームが出来上がってくる。県外にどんどん出ていってしまう子どもたちが『お姉さん、お兄さんみたいになりたいんだ』という身近な目標を持てて、街にとどまってもらうという環境ができるんじゃないかなということで、米原の中でスポーツを軸とした街づくりにトライしています。子どもたちが本当に一流のトップアスリートを見る場を一緒になって盛り上げていきたいと思っています。」

スポーツが持つ可能性を信じ、業界を突き進む森下さんの挑戦はこれからも続いていきます。最後に、日本を背負う若者へメッセージを送ってもらいました。

森下「本当に皆さんはすごいポテンシャル、力を持っていると思います。まずは身近な憧れの人とか、こうなりたいなっていう人を見つけてもらって。見つけるだけじゃなくてその人が実際どういうことをやってきたのか、どういう人なのかという風に興味を持ってもらえればなと思います。一緒に日本を明るく、元気にしていきましょう。」

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