Googleは「新たな生活様式での人々の意識」に関する調査データを閲覧できるダッシュボード及びそれに基づく分析を11月13日に公開。新型コロナウイルス感染拡大後における日本の生活者の意識と行動の推移を理解・把握するために実施している複数の調査データをまとめたもので、今後の社会を考える参考情報としての活用が期待されている。
ダッシュボードに含まれるデータは、緊急事態宣言が発出された4月から約30週間にわたる「生活動向に関する週次調査1」の結果の一部で、新型コロナウイルス感染症に関連した不安や予防行動、日々の生活における感情の動き、日常生活におけるオンライン・オフライン活動の移り変わり、デジタルコンテンツの利用動向や生活満足度等に関する時系列の調査結果を掲載している。
例えば、新型コロナウイルス感染症に関連した感染不安や予防行動の実施では、に感染不安は29週(10月24日~10月30日)に少し増加している一方で、予防行動の実施率は20週(8月22日~8月28日)以降、基準値より高めの数値を保っている。気持ちの変化についても、16~18週(7月25日~8月14日)を境に特に不安な気持ちについては落ち着きつつある傾向が見て取れる。
※「生活動向に関する週次調査」株式会社:Intage(websurvey)|調査対象:全国、男女18-69歳|調査期間:2020年4月11日~週次で実施調査頻度:毎週新規回答者|サンプル数:n=1000ss(毎週)
一方、働き方については、28週(10月17日~23日)には、25週(9月26日~10月2日)と26週(10月3日~10月9日)に続き、オンライン活動とオフライン活動が逆転した。「オンラインに移行していた働き方にも少しずつ日常が戻りつつあるのかもしれない」と分析されており、今後の動向が注目される。
また、Googleマーケットインサイトチームが4月に開始した「生活動向に関する週次調査」と、8月に実施した「新たな行動様式と生活ニーズに関する調査」から明らかになった、変化する生活者の意識を分析。
人々の「環境」や「プライオリティ」に変化が見られ、不安定な社会情勢下でありながらも「部屋の模様替えや在宅勤務に適した家への住み替えなどで身の回りの快適さを整えようとした人」が36.7%、「好きなことをより充実させたいと思うようになった人」が45.1%、「新たな楽しみや没頭できることを見つけた人」が33.7%おり、身の回りの幸せを固める行動が表れている。
さらに「新たな生活様式の5つの特徴」が紹介されており、「頼らないことで、安心感を得たい」「隔てることで、つながりを保ちたい」「ささいなことから、確実な幸せを得たい」「余計を減らして、余裕をもちたい」「『正しい情報』を追い続けることで、安全になりたい」といった傾向が解説されている。
ビジネスにおいては、ダイナミックに変化していく顕在化した「ニーズ=手段」だけでなく、それらの軸となっている「ホープ=原動力」にも注目する必要があるとし、人々に寄り添った「ホープ=原動力」を叶えるビジネスの創出が今後のカギになると分析されている。