発祥の碑……
物や事柄がそこで生まれたことを称え記念するために建てられる碑。
その記念碑は世界各国、日本中、当然東京にもあり誕生の歴史や敬われる理由を伝えてくれます。
この記事はそんな東京にある発祥の碑“はじまりの碑”に焦点をあて紹介していきます。
まず初回は日本が世界に誇る文化、技術、独創性が集約したジャパンアニメーション。そのはじまりの碑に訪れたいと思います。
日本初のカラー長編アニメーション映画は1958年(昭和33年)に公開された『白蛇伝』。7か月の作画期間、4000万円を超える製作費が費やされたこの作品が、のちに世界の人々を魅了するジャパンアニメーションの始まりと言っても過言ではないでしょう。
そのため白蛇伝を製作した東映動画(現:東映アニメーション)がある練馬区大泉が日本アニメの発祥の地とされています。
その碑がある西武鉄道池袋線大泉学園駅に訪れてみると、まず構内で松本零士先生の銀河鉄道999に登場する車掌さんがお出迎え。
“車掌さん”は名誉駅長でもあるようです。
そして改札を出ると……
アニメ発祥の地の証しはじまりの碑がこちら。
そしてOIZUMI ANIME GATEと銘打たれた広場には東映アニメーションが製作した作品の人気キャラクターたちの像。
銀河鉄道999のメーテルと鉄郎の像。よく見てみるとアンドロメダへのパスも置いてあります。
こちらはうる星やつらのラムちゃん。あたるやテンちゃんがいないのが寂しい。
ちなみにラムちゃん、胸囲は83センチらしいです。像の胸囲は分かりませんが……。
そして大泉学園前駅から歩くこと15分弱のところに東映アニメーション大泉スタジオ。
シンボルマークである長靴をはいた猫の主人公ペロがかわいい。
展示室、ショップもあり親子連れも楽しめるスポットです。
そして西武池袋線を上り池袋の一つ手前にある椎名駅には……
そう、あの日本の漫画、アニメ文化の礎を築いたそうそうたる漫画家が若き頃に集った
アパート『トキワ荘』があった場所。
駅から10分強、その跡地に到着。
現在は出版会社になっていますが、モニュメントによるとトキワ荘は1952年(昭和27年)に上棟、1982年(昭和57年)に解体。その間、手塚治虫先生をはじめ、藤子不二雄のF先生、A先生、赤塚不二夫先生、寺田ヒロオ先生らレジェンド漫画家が住んでいたアパート。
半世紀以上前、この地で寺田先生が作るチューダーをF先生やA先生が飲んでいたのかと思うと感慨深いですね。
ちなみに跡地周辺はトキワ荘ゆかりの地としてモニュメントや記念碑が多くあり、まんが道(愛…しそめし頃に…)にも登場するラーメン店なども現存。町一帯が聖地のような存在になっています。
トキワ荘は豊島区ですが東映アニメーション(大泉スタジオ)がある練馬区には100社を超えるアニメ関連の会社があるそう。この地から日本のアニメが生まれ、そしてこれからも次々と名作が生まれていくのでしょう。
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Fujisan.co.jpより