イモトのWiFiでおなじみの「エクスコムグローバル株式会社」では、2020年度入社予定の内定者に対して、多様な社会とのつながりを理解し“イマ”の世の中をより良くしていける社会人になってほしいという想いから、ダイバーシティを肌で感じて学ぶ「虹色の内定式」を10月1日に「SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE」の新本社オフィスにて開催しました。
写真)代表取締役の西村誠司氏と内定者代表
これは「独自のサービスを創り、世の中を変えていく」という同社の経営理念に基づいたもので、おりしも新しい本社移転先である「SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE」では“混じりあい、生み出され、世界へ”をコンセプトに掲げています。
多様性の街・渋谷の中心に新オフィスを構える同社に入社する内定者らにとって、社会のさまざまな課題や問題を知ることは大切であり、なかでも多様性を理解することが現代社会において最も重要な要素のひとつであるといえます。
内定式の後に行われた「ダイバーシティ研修」では、講師に株式会社JobRainbow(以下 JobRainbow)の代表取締役 星賢人氏をむかえ「ダイバーシティとインクルージョン」についての講義を行いました。JobRainbowは、LGBTについて学ぶ研修から職場環境改善のためのコンサルティング、LGBT向け求人サイトの運営など一貫して行いLGBTトータルソリューションを提供する会社です。実はこの研修にはJobRainbowのスタッフ(講師)らによる、ちょっとした仕掛けがあり内定者らはそれを知らされていません…。
写真)株式会社JobRainbowの代表取締役 星賢人氏
見えやすい違い、見えにくい違い
全国20〜59歳の約6万人へのアンケート「LGBT調査2018」(電通ダイバーシティ・ラボ)によるとLGBTは8.9%にのぼり11人に1人の割合となっています。星氏は「多様性はグラデーションのようで、簡単に線引きすることはできないし、世の中にはたくさんのセクシャルティがあり一人ひとり違う」と話し、“見えやすい違い、見えにくい違い”についてさまざまな角度から考えるプログラムを用意しました。
まず、内定者らは5人1組のグループに分かれて自己紹介をしたあと、それぞれが「世の中にはどんなイメージや偏見があると思う?」と問いかけられたシートに書き込み、それをもとに無意識の偏見について意見を交換するグループワークを行います。
シートはLGBT・女性/男性・国籍/人種・障がい・年齢のカテゴリーに分かれた質問があり、内定者からは「ピンク色や洋服を着ているのは女性」や「一家の大黒柱は男性」といった性別による思い込み。留学経験者からは「日本人だからシャイ。メキシコ人だから明るい」といった国籍による偏見。その他「障害を持つ人は助けが必要と思っている」「老人のなかには理不尽に怒るイメージがある」「若い人は世間知らずな気がする」など各カテゴリーにおいて幅広い意見が出ました。
自分の当たり前は、だれかの当たり前ではない
さて、この「虹色の内定」の研修。実はJobRainbowの講師4名が内定者として紛れ込んでおり、それぞれのセクシャルマイノリティを伏せたままグループワークに参加しています。
研修後半になると星氏はその事実を発表し「最初からお話しすると皆さんが自由に意見を言えないと思った。4人のことは言わなければ知らずに済んだこと。つまり誰もが知らずに加害者になる可能性がある」と気が付かないところで偏見や差別をしてしまう可能性を示唆。自分の当たり前は誰かの当たり前ではないことを常に意識することが大切だと話しました。
写真)内定者として参加していたJobRainbowの講師4名。発表されると静まりかえってしまった。
研修を終えた星氏は「起業研修はよくしますが内定者さんむけに開催するのは初めて。4人を紹介したところ驚くよりも“私の(発言)大丈夫だった?”と急に怖い顔になり動きが止まってしまった」とふりかえり「皆さんが問題や課題に真摯に向き合い、2時間の研修中にどんどんと意識が変わってゆくのが感じられました。とても柔軟で吸収力がありますね」と、来年4月から社会に出る内定者たちにエールを送りました。
講師とグループを共にした内定者からは「つい、男性には彼女いる?女性には彼氏いる?と聞いてしまうが、誰にでも「恋人いる?」と聞くべきだと思った」などの気づきが聞かれ「これからはもっと言葉に気を付けたい」と、ごく身近なことから多様性社会とは何かを考える大きな一歩となったようでした。
研修の締めくくりとして内定者らはそれぞれの決意表明を書いた6色のTシャツに着替え、記念のフォトセッションを行いました。
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Fujisan.co.jpより