タピオカが飲食業界の覇権を握ってからずいぶん経ちます。次に来るのはチーズティー、レモネードなど多くの飲食物が候補にあがりましたが追い落とすことはできず、それどころかアミューズメントパークになったりその隆盛は今もなお続いています。改元前は女子高生がその候補にあげるほどタピオカは人々を虜にし支配していると言っても過言ではありません。そこで今回はタピオカを巡る異j……いや、巷に及ぼしている影響のリポートです。
おかず、主食へも浸食するタピオカ
ミルクティーなどに入りスイーツの一種として人気になったタピオカですが、もはやそんな狭い世界には留まりません。テレビ番組などで取り上げられている調理法ではタピオカ麻婆豆腐、タピオカ筑前煮、タピオカオムレツなど工夫次第でおかずに変身。またタピオカ入り飲料を飲みながらタピオカがふんだんに使われたホットサンドを頂けるカフェが登場したり、ミルクティーベースのタピオカが入ったスープに麺を浸して食べるタピオカつけ麺や有名そばチェーン店は見た目がいくら丼ぽいタピオカ丼をリリースしました。
飲食以外でタピオカから受ける恩恵
幼稚園や小学校などでよく使われ、もしかすると企業でも愛用されているかもしれないヤマト糊のでんぷん糊。緑色をはじめ様々な色の容器があるチューブタイプやボトルタイプもあるでんぷん糊ですが原料はタピオカでんぷん。間違って子供が口にしてしまっても健康被害が出ないように使用しているそうです。
世界有数のタピオカ輸出国タイ。キャッサバイモからタピオカを抽出した際に排出される廃棄物キャッサバパルプは年間約260万トンに及ぶといいます。
サッポロビールでおなじみサッポロホールディングスはタイ企業と協力し飼料になるもの以外は捨てられていたこのパルプを活用し、バイオエタノールを製造しようという試みています。両社は年間6万キロリットル級のプラント建設を目指しているそうです。
適度に摂ろう、タピオカの過剰摂取の恐怖
今年5月、中国・浙江省の14歳の少女が何日も排便が無く腹痛を訴えたためCTスキャン検査を試みたところ胃、腸、肛門までタピオカがぎっしり詰まっていたそう。
タピオカはベトナムでもブームになっているそうでここで起こった痛々しいニュースが話題に。
ベトナムに住む20歳の男性はタピオカミルクティーを食事がわりにするほどの無類のタピオカジャンキー。
ところがしばらく腹痛、吐き気を訴え今年8月、病院で検査をすると胃や腸からタピオカのカスが見つかり過剰摂取による腸閉塞と診断され手術を受けました。うまく消化が出来ない状態が長期間続くと死に至ることもあるそうです。
タピオカは街の景観さえも変える
大坂税関によると全国のタピオカ輸入量は4471トンで前年の4.3倍増加し、近畿圏に限って言えば633トンでなんと21倍に急増。それでもタピ不足で値上げを検討する店舗もあるそうです。
このように過熱するブームの中、飲み終わった、もしくは飲み残した容器の処理に困り道端に捨てていく人も多く社会問題に。そもそもタピオカ飲料の容器は各店主張し過ぎていてゴミ箱のサイズに合わないこともしばしばでこれも道に捨てられる原因のひとつになっています。
このような現象に立ち上がったのがNPO法人グリーンバードとタピオカ専門店。渋谷にあるグリーンバードのコミュニティスペースにどんな容器でも対応するタピオカ専用ゴミ箱を設置。このゴミ箱自体もインスタ映えスポットになりそうなかわいさ。設置期間は12月末までだそうです。
飲食だけではなく文具、エネルギーの分野まで進出するタピオカはもはや文化の一つ。これはかつてたまごっちやエアマックスが爆発的に人気になった際に、それ自体が貨幣価値を持ち始め取引される現象がありました。これと同様にいずれタピオカも貨幣のように扱われるのではないだろうか? というほどタピオカは我々の生活を支配しているのではないでしょうか。
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Fujisan.co.jpより