今回、ご紹介するのは、現在公開中の映画『月極オトコトモダチ』。
WEBメディアの編集部として常に記事のネタを探す女性ライターの主人公。そんな主人公が見つけたのは“レンタル友達”。電光石化の速さで男友達をレンタル(通称=レンタル君!!)。自分の趣味(給水塔巡り!!)に付き合ってもらい、清らかなフレンドライフを送る2人。勿論、主人公の目的は、レンタル君との関係を元にした“男女間に友情は存在するのか?”というテーマの連載企画のスタート!! 記事も評判良く、順風満帆かと思いきや、事件が発生!! 主人公はミュージシャンの女友達とルームシェアしてるんです。その家にレンタル男友達が来ちゃうんですよ。そしたら、そのレンタル君も作曲活動をしている事が判明!! 主人公の女友達とレンタル君の距離が急接近。それに対して主人公に複雑な感情が到来!! さらに「一晩、共に過ごして何も起きないのか確かめて来い!!」という編集長からのパワハラ命令勧告!!
女2人に男1人。しかも男はレンタルの、まさに借り物!! そんな三角関係はどこへ向かっていくのか?!
あり得ない設定だけどリアル!!
ちょっと面倒臭そうな映画と思うかもしれませんが、リアルだけど現実ではあり得ない設定のバランスが絶妙。しかも、このお金でさえ電子マネーの時代にレンタル1回に対してスタンプカードを押していくんです!! それを集めて「フフフッ」ってなってるんです。あり得ないけどリアルでしょ?
それでレンタル君と女友達が音楽により急接近。それがラジオで流れ出す!! あり得ないけど、切ないリアルさ!! 本作は、そんなシーンが満載なんです!! しかも、ご丁寧にフラグを立たせてくるから、こちらも観ていてヒヤヒヤしてしまいます。
アラサー女子のリアルを演じさせたら天下一品の女優=徳永えり!!
主人公のアラサー編集者を演じるのは、徳永えり。兎に角、不思議な魅力のあるお方。妙な困り顔で、松坂桃李並みの問答無用の好感度を放出。彼女はドラマ「恋のツキ」でもアラサー女が男子高生を相手に浮気しちゃうという役どころを、妙にリアルに演じていた方なんです。「恋のツキ」でもそうだったのですが、凄く生々しいリアルさと感情移入のコラボ技を持ち合わせているんです。
恐らく、オーバーじゃない程度の表情の作り方、演技が伝わりやすいんですよね。だから、ルームシェアしている女友達にジェラったり、レンタル君との距離感が掴めなくなるのも愛嬌があるというか、どこか可愛らしいんですよ。
ОLから映画監督に?!
メガホンをとるのは、ファッション業界の会社員から映画監督に転身した異色の経歴の持ち主の穐山茉由 監督。本作が長編デビュー作。
最近では、若手映画監督の登竜門にもなっている「MOOSIC LAB」の2018年度長編部門でグランプリと最優秀男優賞、女優賞、ミュージシャン賞の4冠を受賞。第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門にも出品済み。
映画『月極オトコトモダチ』は、新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺、イオンシネマ板橋ほか全国順次公開中です。
- SPUR(シュプール) 最新号:2019年7月号 (2019年05月23日発売)
Fujisan.co.jpより
映画『月極オトコトモダチ』
徳永えり 橋本 淳 芦那すみれ
野崎智子 師岡広明 三森麻美 山田佳奈
監督・脚本:穐山茉由
音楽:入江陽 劇中歌・主題歌:BOMI
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
製作:「月極オトコトモダチ」製作委員会
2018|日本|78 分|カラー|ヨーロピアン・ビスタ|STEREO
©2019「月極オトコトモダチ」製作委員会
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