秋から春はチョコレートの消費が伸びる季節。さまざまな新商品が登場し私たちを楽しませてくれますが、今、特に人気なのが「健康志向系チョコレート」といわれる健康を気遣うユーザーにむけた商品です。
記憶に新しいものでは、今年2月に明治 株式会社(以下、明治)から発売された「オリゴスマートミルクチョコレート」。幅広い年齢層の女性を中心に、順調に売り上げを伸ばしているそうです。
明治の健康志向系チョコレートといえば、1998年に発売された“カカオから健康を考えた”「チョコレート効果」が人気。カカオポリフェノールに着目した商品であり、健康志向系チョコレートの草分け的な存在です。発売当時のインパクトは絶大で、筆者個人的には(これはカカオであってチョコレートではない!)と思うほどの渋い味を初体験し、逆にその渋さがクセになりヘビーユーザーとなりました。
その明治から満を持して登場したのが、糖として吸収されない「フラクトオリゴ糖」を一部使用した、“糖から健康を考えた”「オリゴスマートミルクチョコレート」なのです。
画期的なのは“糖として吸収されない”こと
フラクトオリゴ糖は、タマネギ、トマト、バナナなどの野菜や果物に含まれている甘味料。フラクトオリゴ糖を食品原料として発売した「メイオリゴ」(現在は業務用としてのみ販売)は、1993年に日本で初めての特定保健用食品(トクホ)を取得しています。
このフラクトオリゴ糖のすごいところは、難消化性のオリゴ糖で、糖として吸収されずに、腸内細菌によって短鎖脂肪酸に分解される糖質です。
明治が行った調査では「約6割の人がチョコレートの糖質が気になる」という結果がでているそうで、砂糖の一部をフラクトオリゴ糖に置き換えた「オリゴスマートミルクチョコレート」は、そんな糖質コントロールを気にかける方におススメのスイーツなのです。
開発担当者は「おいしいことが大切で、口溶けのまろやかさや香りなどをしっかりと楽しめるチョコレートをお届けしたかった」と、ミルクチョコレートの味にこだわったと話します。湿気を吸いやすいフラクトオリゴ糖はチョコレートに加工するのが難しい面もあり、約2年の開発期間を経てできあがったそうです。
現在はお客さまにお披露目する意味も込めて、パッケージデザインが目立つ「箱タイプ」で販売されていますが、今後は、もっと持ち運びしやすい包装形態の販売も検討しており、いずれ展開していきたいとしています。
実際にいただいてみると…なるほど、ついつい手が伸びる食べやすさ。ゆっくりと口に広がる甘さはブレイクスルーを促してくれ気分転換にもなります。
現在はお客さまにお披露目する意味も込めて、パッケージデザインが目立つ「箱タイプ」で販売されていますが、今後は、もっと持ち運びしやすい包装形態の販売も検討しており、いずれ展開していきたいとしています。
(欧米に比べて日本のチョコレート消費量はまだまだ低く、もっとチョコレートを楽しく健康的に味わっていただきたい。一方で、日本のチョコレートはインバウンドの方から「この値段でこのクオリティはすごい!」と評価され、お土産としても重宝されていると聞きます。日本ならではの、おいしくて健康志向系のチョコレート文化を育てていきたいですね)と、カカオマーケティング部の大髙さん。取材にご協力いただきありがとうございました。
- 日経トレンディ (TRENDY)
Fujisan.co.jpより