猛暑の夏でも虫たちは元気だ。近所の公園に行けばセミの鳴き声が聞こえる。草むらの中をバッタがピョンピョンと飛び、トンボやチョウチョもあちこちにいる。わが子から「あれ、捕って!」と言われたら思わず手に力が入ってしまうが、小さな生き物を傷つけないように捕まえたり、持ったりするにはどうすればいいのだろうか。
持ち方が悪いといろんなデメリットが……
- BE-KUWA 2018-01-23 発売号
Fujisan.co.jpより
虫たちだって必死だ。捕まりたくないから抵抗する。“持ちどころ”が悪いと指にひっついてジタバタ逃げようとするだろう。虫嫌いの人だと、思わぬ抵抗にビックリして落としてしまったり、払いのけてしまったりするはずだ。
不可抗力とはいえ、脚が取れてしまったり、羽を傷つけてしまったりすると、どうにも後味が悪い。ただ持ち方や捕まえ方を知らないだけで、楽しい虫取りの気分が一気に冷めてしまうのは避けたいところだろう。
暴れないように安定させるのがコツ
では、どうするべきなのか??子どもが力の加減ができないうちは、親が持ち方の見本を見せてあげればいい。親の持ち方を見て、それを手本に覚えてもらうのだ。たとえば、チョウチョやトンボなどは誰もが指先で羽をつまもうとするが、元気がいいと逃げようとして暴れてしまう。
不安定な持ち方をすると、羽がちぎれたり、破れたりして、すぐに弱ってしまう。これはまさにNGな例だ。以下に、夏の虫たちをいくつか紹介したので、参考にしてもらいたい。
・カブトムシ……2本指で側面をつまむ(オスの場合は、小さいツノをつまむ)
・クワガタ……2本指で側面をつまむ
・バッタ……両手をドーム状にして覆うように捕獲。首の根元部分を2本指でつまむ
・トンボ……指をチョキにして、指の腹で羽を挟む
・チョウチョ……2本指で胴体を持つ。羽は傷つきやすいので極力触らない。
・セミ……両手をドーム状にして覆うように捕獲。羽の付け根をつまむように持つ。
・カマキリ……腕から下の背中部分をつまむように持つ
もしも虫取り網がなかったら……
虫取り網があれば、たいていの虫は捕まえられる。ただ、それではちょっと面白みがないという人はいっそ道具を使わずに捕まえてみるといい。きっと子どもから一目置かれるだろう。たとえば、トンボは目の前で円を描くように指を回すと、一瞬動きが鈍くなる。その瞬間にもう片方の手で背後から羽を狙うと簡単に捕まえられる。
落ちている木の枝にクモの巣をつけて、“手製の虫取り網”でチョウチョやトンボを捕まえることも可能だ。カブトムシやクワガタの場合、昼間にクヌギやコナラに罠を仕掛けて、夜に一網打尽にするのも盛り上がるだろう。
虫の特性を知り、ちょっとしたコツをつかめば、簡単に素手で捕まえられるのが虫取りの魅力だ。猛暑の夏、木陰で休むのもいいが、ときには子どもと虫取りに興じるのもステキな想い出になるだろう。