この4つの画像をみて、何かわかる人は少ないんじゃないでしょうか?
実は同じ商品を世界各国の生活状況に即したデザインに変えたものなんです。その商品とは…なんと「目薬」!!
瞳にとって過酷な環境にある4つの国
ロート製薬が、目薬発売110周年を迎えるにあたり、2018年7月8日(日)に、代官山ヒルサイドテラスANNEX-Aにおいて、瞳の健康にとって“極地”と言える世界4か国の課題に挑む目薬の企画展「世界の瞳は思った以上に過酷な目にあっている展〜4つの極地、4つのアイケアコンセプトモデル〜」を開催。たった1日しか開かれない貴重な展覧会に潜入してきました。
ブルーライトに悩まされる国=日本
まずは日本。日本はデジタルデバイスに溢れ、ブルーライトによる眼精疲労は計り知れません。みなさんも思い当たる節はあるのではないでしょうか?現にこの記事もブルーライトを通してみなさんの目に届いていると思います。
そんなこの国の慢性的な目の疲れを癒すためにデザインされた目薬が、こちら。
まさかの一番奇抜なデザイン。サンゴみたいな形で、一見しただけではどうやって使うのかわからないですよね。じつは東洋医学を応用し、目の凝りをほぐすツボを押しながら目薬がさせるようになっているのです。
このように!ツボを刺激しつつ目薬もさせるという、一気に目の疲れをとってしまおうという画期的なデザインになっています。会場には、実際に手にとって目のツボを押せるレプリカも置いてありました。
砂漠に覆われた国=カザフスタン
次はカザフスタン。国土の7割が砂に覆われたこの国では、ラクダに乗っている最中や地滑りがおきている時など、どんな状況でも目薬をさせるようにとジャイロ機能を搭載したデザインに。
見たことありますか?こんな目薬。目薬にジャイロ機能って…!世界の瞳に潤いを届けたいという本気度が窺えます。
目薬が出てくる球体部分にアイセンサーがあり、どんな角度でも目を狙って一直線に目薬が落ちてくるという構造になっています。
寒さの厳しい国=アイスランド
極寒の地では、液状のものは全て凍ってしまう。それは目薬も同様です。
アイスランドの氷河地帯では、通年で氷点下を記録しています。そんなアイスランドでも目を潤せるようにデザインされた目薬がこちら。
まるでおしゃれなブランドの香水瓶のよう。デザイン性の高い黒い模様は、実は車のガラスヒーターにも使われている電熱線を容器にプリントしたもの。蓋裏にセットした乾電池を使って電熱線が熱を発し、一定の温度をキープ。北欧での液剤の保存を可能にしました。
大きな手袋をしていても開けやすい大型のキャップからも、生活状況をしっかり考えてデザインされていることがわかります。
紫外線の強い国=オーストラリア
オーストラリアの年間紫外線量は日本の約2倍。サングラスの着用が義務付けられている小学校もあるなど、国家レベルで予防対策がとられている紫外線大国。そんな国で、いつものように太陽を見上げて目薬をさしたら…そう。目は紫外線の猛威にさらされてしまうのです。目を潤す行為が、逆に目を危険にさらしてしまう行為になってしまうのです。この課題をどんなデザインで解決したかというと…
ラッパのようなこちらの形で解決!どうやって目薬をさすのか、皆目見当がつかない形をしてます…。
なんと、こちらは「見上げずに目薬をさせる」という画期的なデザインになってるんです。今までの常識を覆した発想に驚き!超音波振動で目薬を気化して目まで届ける設計となっております。
4つの国の現地リサーチをもとに、それぞれの課題に立ち向かった4つのアイデア。
1つ1つの展示室には、実際にその国で生活を送る人に密着した映像も流れていて、この提案がいかにそれぞれの生活上の課題にもとづいたものであるかを物語っていました。
デザイン性を機能性に開花させているそのアイデアと造形美に知らず知らず、感嘆のため息が…。
是非すべて商品化して、世界の瞳を救って欲しいなあ…と思いました。特に日本の目薬は日々スマホ・PCとにらめっこしている身としては絶対入手したい代物でした…。
目にいいお茶
展示を見終わると、セルフサービスで目にいいと言われる「アイブライト」「バタフライピー」という2種類のお茶が用意されていました。
バタフライピー?もしや、「インスタ映え特集」などでよく目にするあのレモンで色が変わるお茶じゃないですか!?まさかこんなところでインスタ映えに出会えるとは…。なんでもこのバタフライピー、眼精疲労に効果的なアントシアニンが、目にいいと言われるブルーベリーの2倍含まれてるそうなんです。2、2倍…!インスタ映えかつ目にもいいなんて、なんともお得なお茶だったのですね…
そしてアイブライトというお茶もさわやかな味でとても飲みやすい!ビタミンやタンニンが豊富で、目の充血や炎症を和らげてくれるそうです。
しっかりちゃっかり2杯平らげて、展示会場を後にしました。これで使いすぎて悲鳴をあげてる目も少しは回復してくれることでしょう…
最後に
目はどんな状況に置かれても、日々私たちに視覚情報を届けてくれています。それが当たり前になっていたけれど、日本という国は目にとって過酷な状況なんだということを実感し、そして目を酷使していることを反省。1対しかない瞳をもっと大事にしよう、日頃から労ろう、と心に誓いました。手始めに目薬と、今日仕入れた新たな情報、バタフライピーとアイブライトの茶葉を買って帰ろうと思います。
一生付き合っていく瞳です。いつでも潤いのある素敵な瞳でいたいものですね。
- VERY(ヴェリイ) 2018年8月号 (2018年07月06日発売)
Fujisan.co.jpより