もらう側は嬉しいが、贈る側はいつだって悩む。それが顕著なのが父の日だろう。
母の日と違って、父の日にはカーネーションのような定番プレゼントが見当たらない。パッと思いつくものといえばネクタイだが、スーツを着ない場合は困る。趣味がなく、仕事一筋の父親の場合、何をあげたら喜ぶのか……。子どもにとっては、何を贈ろうか悩むのが父の日といえる。そこで今回は贈り物選びのヒントを、「父の日のアンケート」の中から探ってみた。
欲しいもの1位はまさかの……
まずは、プレゼント選びの参考にするには身も蓋もないような結果から伝えよう。
楽天リサーチ株式会社が2017年に実施したアンケート(※1)によると、子どものいる父親に父の日に欲しい贈り物を尋ねたところ、第1位が「何もいらない」(49.2%)という答えだったという。筆者も正直、「え、マジか」と驚いた。いきなり出鼻をくじかれたような感覚だったが、よくよく落ち着いて考えると、単に言葉足らずの回答なのかもしれないということに気づいた。
その言葉の裏にあるものとは?
- ノジュール(nodule) 2015-04-28 発売号
Fujisan.co.jpより
というのも、個人的な見解、それも父親の立場で言わせてもらえば、「何もいらない」の言葉の裏には「気持ちだけで十分」という想いが見え隠れするからだ。実際、株式会社ウェブクルーが2016年に実施したアンケート(※2)では、「父の日は子どもからのプレゼントなどを期待していますか?」という問いに、じつに半数以上の51.3%の男性が「期待していない」と答えたという。
なんともぶっきらぼうな返答に聞こえるが、恥ずかしがり屋な日本人男性の一面を考えると、これはおそらく「もらえたらラッキー」くらいの感覚でいる人が多いという結果にも受け取れる。現に家族間で、日頃から素直に感謝を伝える機会がないのであれば、ちょっとくらい斜に構えた回答があってもおかしくはないといえるだろう。
王道はやっぱり口に入る贈り物
こうやって世の父親たちの想いを想像してみると、プレゼント選びはあまり気難しく考える必要がないとわかる。
つまり、わが子から感謝の気持ちを伝えられ、さらに何か形に残るモノがもらえれば、それだけで父親は大満足なのだ。「何もいらない」という答えのアンケート結果に話を戻すと、第2位以下には「外食」(12.5%)、「酒」(10.9%)、「食べ物」(7.8%)が続く。やはり王道は食べたり飲んだりできる“口に入る”贈り物のようだ。
手紙を添えるだけで印象は変わる
晩酌好きの父親であれば普段買わないような「おつまみ&お酒」をセットに贈るのでもいい。スイーツ好きであればデパ地下のオシャレなケーキでも喜んでくれるだろう。家族みんなで過ごすために、外食に出掛けるというのも素敵な思い出だ。
日頃の感謝の気持ちを贈り物として渡すのは簡単だが、それを手紙に綴って渡せばさらに喜ぶはずだ。照れくさい気持ちはあるかもしれないが、家族のために頑張る父親に、そんな粋なプレゼントをしてみるのもサプライズとしてはアリかもしれない。
(※1 実施期間:2017年5月15日と16日、対象:全国の20~69歳の男女1,000人)
(※2 対象:全国の3,231人)