突然、沸き上がった女子レスリングのパワハラ問題。女子レスリング界に激震が走っております。なんとか伊調選手には東京五輪で金メダルを獲って頂きたいのですが…。そんななか、いや、そんな渦中に、とんでもない映画が公開になるのでございます。今の日本女子レスリング関係者のために作られたのではないか、と錯覚するほど、関係者に観て頂きたい映画なのでございます。
それだけではございません。内容がゴイスーに面白いのでございます。チョベリグーな感動実話なのでございます。小生も、この映画を観て女子レスリングの大ファンになってしまったのでございます。レスリングのルールを初めてこの映画で理解いたしました。それだけ素晴らしい作品なのでございます。
【NEW】「ダンガル きっと、つよくなる」予告編 https://t.co/skmylob9Dq#ダンガル#きっとつよくなる#アーミルカーン#サークシータンワル#ファーティマーサナー#サニヤーマルホートラ#ニテーシュティワーリーpic.twitter.com/awLBpIFang
— 映画.com (@eigacom) 2018年3月1日
それが、こちら。4月6日公開のインド映画「ダンガル きっと、つよくなる」でございます。今流行りの実話ベースのお話でございます。全世界興行収入340億円を突破!インド映画の世界興収ナンバーワンを記録した大ヒット中の映画でございます。
もちろん、「きっと、うまくいく」や「PK」も超えております。中国でも大ヒット!日本の「君の名は。」のWスコア超え!あの習近平国家主席も、この映画をとても気に入られたようで、インドのナレンドラ・モディ首相に会った際に、このような映画をもっと観たいと告げたとか。
一体どんな作品なのか…
果たせなかった父親の夢を背負い、姉妹がレスリングの世界に羽ばたく壮絶な逆転サクセス・ストーリーでございます。男物の服を着せられたり、髪を切られたり、父親の星一徹ばりの激しくユニークな特訓。さらに、コーチとの指導法による確執。
父親と娘の二人三脚での金メダルを目指す物語。どこかで聞いたような話が続出なのでございます。ワイドショー好きな日本人が、タイムスリップして脚本を書いたのではないかと思えるくらいでございます。日本人にささること、間違いナッシングな内容でございます。
そんなことをさて置いても、チョベリグーな映画でございます。とにかく姉妹と父親がかっこいいのでございます。ちなみに、この姉妹が火付け役になり、インドでは何千人もの少女がレスリングを初めております。
彼女達のレスリングシーンもゴイスーなのですが、もう一つの見どころは…父親役のアーミル・カーン様でございます。日本でも大ヒットした「きっと、うまくいく」など50本を超える作品に出演、インドの国民的スターでございます。
本日は、アーミル・カーンさんのお誕生日
— 映画「ダンガル きっと、つよくなる」 (@dangal0406) 2018年3月14日
本作では、体重を70㎏から97㎏に。そしてその後再度70㎏に戻すという過酷な役作りをされています。ボディスーツを着て演じることでは出せないリアリティが映画の中からも伝わってきます!#ダンガルダンガルpic.twitter.com/ZdruE5kUlK
今回、カーン様は若い頃から中年太り50代までの半生を演じているのですが、その変貌ぶりがグレイトなのでございます。どうやって撮影したのか、どんなCGを使ったのか、とても気になるはずでございます。しかし、CGは未使用。
主演がカーン様に決まった時、カーン様は痩せており、監督は若い頃のシーンから撮影をはじめ、その後、太ってからを撮ろうと提案。ところが、カーン様は「太った時代を後に撮ってしまったら、減量する理由がなくなってしまう。私は怠けものだから(笑)」と。
ということで、カーン様は5カ月をかけて体重を70から97キロに、体脂肪率も9から38%に上げて、中年時代を撮影。その後、若い時代を撮影するために減量をスタート、5カ月で体脂肪率を9.67%にまで戻したとか。
ぜひ、そんな情報も頭の片隅に残しつつ、感動実話傑作映画「ダンガル きっと、つよくなる」、ご堪能くださいませ。心をわしづかみにされる映画でございます。
(文:N田N昌)
- キネマ旬報 2018年4/1号
Fujisan.co.jpより