今、国会で話題の「働き方改革関連法案」。裁量労働制の拡大、副業解禁など「働き方」に大きな注目が集まっております。さらにAIの社会進出など、将来どうやって働いていこうか?働くべきなのか…、「働き方」についていろいろ考えていらっしゃる方、多いのではないでしょか。
そこで今回は、働くとは何か?自分はどんな仕事をするべきなのか…、仕事や自分の適性について思い悩んだ時に、そって背中をおしてくれる、そっと癒してくれる、そんな絵本をご紹介させて頂きます。夜、読んで眠れば、翌日また頑張れること間違いナッシングでございます。
「たいせつなこと」(作:マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵:レナード・ワイズガード 訳:うちだ ややこ)
こちらは、1949年にアメリカで出版されて以来、半世紀以上も世界中で愛され続け、多くのひとに読みつがれてきた絵本でございます。日本では2001年に初めて出版されております。「たいせつなこと」とは何かを、やさしく詩的な文章で語りかけてくれる大人絵本でございます。
大人の読者が圧倒的に多い作品でもございます。「スプーンは食べるときに使うもの。でもスプーンにとって大切なのは、それを使うと上手に食べられるということ…。」と始まり、最後は手書きの一文で終わるのですが…。
その一文、翻訳版ではもちろん日本語で書かれているのですが、その文字を書いた人物がなんと!元シブがき隊のモックンこと俳優の本木雅弘様でございます。
というのは、翻訳を担当されているのが、本木様の奥様で、内田裕也様と樹木希林様の御息女、内田也哉子様なのでございます。内田様は、これが初めての翻訳で、外国の小さな本屋さんでこの絵本と出会ったのだとか。
ちなみに、文の担当のマーガレット・ワイズ・ブラウン様は、世界中で長く愛され続けている「おやすみなさい のほん」の作者。100冊以上の作品を残し、最も愛され続けてきた絵本界のレジェンドでございます。
そして、絵の担当のレナード・ワイズガード様は、マーガレット様とのコンビで知られ、1947年には「リトル・アイランド」で、カルデコット賞を受賞。300冊以上の児童書の挿し絵を手掛けていらっしゃいます。
ものには、それぞれ目的や役割があること、自分が自分らしくあることの大切さ。みんな、自分らしくいるだけで十分に存在価値があり、無理して何者かになる必要なんてない、そんなことを考えさせられる絵本でございます。
読めばきっと自分を大切にしたくなること、間違いナッシングでございます。仕事に疲れた時、仕事のことで悩んだ時、優しく寄り添ってくれる大人絵本でございます。
(文:N田N昌)