老後に移住する国、と聞いて浮かぶのはタイやフィリピン、という人が多いかもしれません。しかしこの頃は物価も上昇し、優雅に暮らすには難しい一面も。では今、お手頃価格で暮らせる注目の国とは、どこなのでしょう?
高くなったアジア圏
『PRESIDENT』2017年11月13日号では「年金生活でもリッチに暮らせる国ベスト6」が発表されていました。そこにはタイは入っていましたが、月収15万円あればリッチに暮らせると書かれていました。
タイは普通のアパートなら1万円で借りられるというし、タイ料理であれば200-300円くらいで定食を食べることもできるそうです。十分に安いとはいえ、もう少しこだわった部屋がいい、日本食がいい、などとなると、すぐに2倍、3倍と料金はかさんでいきます。
目指すはあの大陸!
外務省の海外邦人援護統計(2016年)によると、困窮し、大使館に駆け込んだ海外在住日本人345人中アジア圏が261人とダントツに多く、なかには現地の女性に騙されてお金を全て失うなどという事件もあるのだとか。
タイなどのアジアエリアでのリタイアメント生活が割高になってきたなか、『PRESIDENT』が推していた移住先のひとつに、なんとモロッコがありました。北アフリカです。タイなら月額15万円かかる生活費が、こちらなら5万円で済むというから驚きの安さです。家賃も1万円ほどなのだとか。
ヨーロッパが近い!
モロッコの良い面はスペインの対岸にあるところ。1〜2時間ごとにフェリーが出ているので、ヨーロッパ旅行に出やすいのはとても便利です。フェリーに乗り、1時間ほどで、スペインに渡れてしまうのです。
アフリカに移住とは、考えたこともなかった人が多いと思いますが、短時間でスペインに渡れてしまうのだったら、ほとんどヨーロッパのような感覚で住めるのでしょう。モロッコの街並みも少しヨーロッパ風の雰囲気があり、レトロな感じがとてもおしゃれなのにも好感が持てます。
タイ料理も美味しいけれど、高齢者にはやや辛いかもしれません。モロッコ料理は、タジン鍋で野菜や魚を柔らかく煮た品が多く、味付けも薄めなです。この優しい味は、日本人、特に高齢者の口に合いそうです。新たな人生を過ごす候補地としてモロッコを考える人が今後増えるかもしれませんね。