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ハッサク成分「オーラプテン」で熱中症対策!東洋大生が巣鴨で高齢者にオリジナル羊羹を配布



近年の猛暑深刻化を受け、2025年6月の改正労働安全衛生法の施行による熱中症対策の義務化など、社会全体で予防策の強化が叫ばれている。 そんな中、東洋大学(健康スポーツ科学部・加藤和則教授ら)の研究チームが、ハッサクなどの柑橘類に含まれる成分「オーラプテン」に、熱ストレスから血管を保護し熱中症を防ぐ効果があることを世界で初めて発見(特許第6557893号)した。


この研究成果を社会に還元すべく、2026年9月14日(月)、敬老の日を前にした「巣鴨とげぬき地蔵尊 高岩寺」にて啓発イベントが開催された。東洋大学のボランティア学生たちが残暑の熱中症予防を呼びかけ、オーラプテン配合のオリジナルミニ羊羹『ハッサク円満羹』約500個を無料配布した現場を取材した。


なぜ熱中症が起きるのか? カギは「熱に弱い血管」の保護



従来、熱中症対策といえば「水分や塩分の補給」が定番だ。しかし、暑熱ストレスによって体内の水分や栄養を全身へ運ぶ「血管細胞」がダメージを受けると、いくら水分や塩分を補給しても全身へ十分に届けることができなくなってしまう。


加藤教授らの研究チームは、「血管そのものを暑さから守り、丈夫にすることで熱中症を予防できるのではないか」という新たな視点に着目。100種類以上の植物由来成分を検証する中で見出したのが、ハッサクなどの皮に多く含まれるクマリン類の一種「オーラプテン」だった。


【科学的に実証されたオーラプテンの効果】


血管細胞の生存率向上(メカニズム) 血管細胞を約40℃の環境にさらすと2日間で相当数が死滅するが、オーラプテンを加えた場合は熱ストレスから細胞が守られ、生存率が大きく向上することが顕微鏡観察でも確認された。


脱水症状の軽減 20歳から65歳までの男性15名を対象とした臨床試験において、オーラプテン(1日6mg)を5日間連続摂取した後に室温28℃・湿度60%の環境下で30分間の運動を行ったところ、脱水の指標となる「血清浸透圧」の上昇が有意に抑えられた。


暑さ感・口渇感の緩和 主観評価(VASスコア)においても、オーラプテン摂取群は非摂取群に比べて「暑さ感」や「喉の渇き(口渇感)」を感じにくくなる傾向が示されている。


熱中症だけじゃない!オーラプテンが持つ多彩な機能性


オーラプテンは果肉(果汁)にはほとんど含まれず、主に果皮(皮)に含まれている。抗炎症作用のほか、脂質代謝の改善、肝臓内中性脂肪の抑制、認知症改善効果なども報告されており、体調管理から体型維持まで幅広くサポートする注目の機能性成分だ。


油溶性で熱に強いという特徴があるため、キャンディやドリンク、羊羹など多様な食品へ加工・商品化しやすいという大きなメリットもある。


「巣鴨とげぬき地蔵尊 高岩寺」で『ハッサク円満羹』を無料配布



この研究は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた熱中症対策研究(文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」)に採択されたことをきっかけに始まった。その後、国内収穫量1位を誇る和歌山県(紀の川市など)と連携した「ハッサクプロジェクト」が発足。消費低迷や農家の高齢化という地域課題に対し、熱中症対策という新たな価値を見出し、本来廃棄されるはずだった皮を有効活用する産官学連携の取り組みが進められている。



今回のイベントは、その一環として実施されたものだ。会場となったのは、おばあちゃんの原宿として知られ、高齢者で賑わう「巣鴨とげぬき地蔵尊 高岩寺」。無料配布ということもあり、足を止めた多くの高齢者が興味深そうに学生の説明へ耳を傾けていた。



実際に現場で羊羹を配っていたボランティア学生に話を聞いた。 「ハッサクが入った羊羹と聞いて『どんな味なんだろう?』と興味を持ってくださる方が多かったですね。ハッサクが熱中症対策になることを知らない方も多く、『食べるだけで手軽に熱中症対策ができるのはいいね』といった声をいただきました」



イベント中には、羊羹を受け取った高齢者から「孫と話しているみたいで嬉しいよ」と、手作りのマスコットが学生にプレゼントされる場面もあった。世代を超えた温かいコミュニケーションが生まれる、実に微笑ましい光景だった。



なお、今回配布された『ハッサク円満羹』は2026年9月下旬に正式発売される予定だ。ただ、現在の販売ルートは東洋大学生活協同組合の学内店舗およびWEBサイト限定となっている。そのため高齢者からは「健康に良いものだから、巣鴨の街中や近くのコンビニでも買えるようになってほしい」と、身近な店舗での取り扱いを熱望するリアルな声も聞かれた。


建設現場や高齢者、アスリートの熱中症対策の未来へ



現在、オーラプテンを活用した取り組みは、猛暑下の建設現場で働く作業員や高齢者、アスリートなど、熱中症リスクの高い人々を守るための社会実装として広がりを見せている。


酸味や苦味があり、皮も剥きにくいため敬遠されがちなハッサクだが、羊羹などの手軽で美味い加工品に生まれ変わることで、毎日の食習慣に取り入れやすくなった。「日常的に美味しく食べて、気づかないうちに暑さに強い体を作る」——そんな新しい熱中症予防の形が、過酷な夏を乗り切る新たな武器として今後さらに浸透していきそうだ。

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