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初期症状に気づきにくい心不全。AIがもたらす未来の医療について本田望結さんと考える市民公開講座が大阪・関西万博で開催


がんに次ぐ日本の死因第2位の心疾患。その中でも心不全は死亡者が最も多い病気。その初期症状は息切れや足のむくみなど、 ちょっとした不調と感じてしまう症状であることが多く、日々の生活の中で見過ごされてしまいがちな疾患です。
しかし、近年このような気づきにくい心不全の早期発見や診断、予防をテクノロジーやAI により実現しようという研究が積極的に進められています。
それらがもたらす未来の可能性、私たちができる・意識すべきことを専門医と俳優・フィギュアスケーターであるゲストの本田望結さんとのトークセッションでわかりやすく解説する市民公開講座「心臓フロンティア~心不全ゼロの未来へ~」がアストラゼネカ株式会社と EXPO 2025 英国パビリオン主催で7月30日(水)に開かれました。

心不全は予防ができる疾患!心不全パンデミックを防ぐためにすべきこと

トークセッションの前段として、国際医療福祉大学・東京大学 教授であり、日本循環器協会 代表理事である小室一成先生が「心不全を知る・防ぐ・治す〜AIとゲノムが開く医療の未来」というテーマで講演を行い、循環器病、特に心不全について詳細に説明しました。
循環器病とは心臓と血管の病気であり、心不全、弁膜症、虚血性心疾患などがあり、日本では心不全患者が130万人いるそう。
日本の死因では、がんが1位、心疾患が2位となっていますが、特に75歳以上の高齢者と女性の死因では循環器病がトップとなっているそうです。
心不全は年齢が高くなるにつれてリスクが高まる疾患であり、高齢化が進む日本では今後さらに患者数が増えていき、心不全パンデミックに陥る可能性があることが問題視されていると小室先生。

心不全の症状としては、階段や坂道を上る際の息切れ、寝ている時の息苦しさ、足のむくみなどを挙げ、これらの症状が年のせいではなく病気のサインである可能性を強調しました。心不全の診断にはBNPという心臓から出るホルモンの測定が有効で、原因としては、高血圧、心筋梗塞、弁膜症、心筋症などが挙げられ、これらの疾患により心臓の壁が厚くなったり、心筋が壊死したりすることで心臓の機能が低下。また、遺伝的要因も心不全のリスクに関わっているそうです。

心不全は4つのステージに分けられ、それぞれのステージで予防のチャンスがある疾患。予防の第一歩は良い生活習慣を身につけることであり、運動、禁煙、塩分制限、適度な飲酒などが重要。必要に応じて薬物療法も効果的なんだとか。
小室先生は、医療の未来についても言及し、心電図をAIが分析することで心不全の診断精度が向上したり、スマートウォッチやスペクトルカメラなどのデバイスを用いて日常的な健康モニタリングが可能になったりするといった展望を示しました。

AIと医師の共存が不可欠!未来の医療と心不全について意見交換

講演後は小室先生に加え、聖マリアンナ医科大学 薬理学 主任教授の木田圭亮先生、順天堂大学 循環器内科 データサイエンスコース 特任准教授の鍵山暢之先生、司会にタレントの 竹内由恵さん、そして特別ゲストとして本田望結さんが登壇し、「見えない心臓の不調が“見える”未来へ ~AIと私たちが築く、やさしい医療~」をテーマにしたトークセッションが行われました。
まず木田先生が心不全の症状の見分け方について詳しく説明し、初期症状として息切れが病気のサインになり、特に“前と比べて変化があるか”という視点の重要性を訴えました。

これを受けて本田さんは、
「息切れなら様子を見てしまう人が多そう。気づいた時にお医者さんに相談することが大切だとわかりました。」とちょっとした変化に気づき、声にすることの大事さを感じた様子。
またAIとテクノロジーが進化した未来の循環器医療の姿を描いたショートムービーが上映された後、小室先生は、
「AIが医療診断に役立つ一方で、最終的な判断は医師が行うべき。」と強調。
鍵山先生は、
「人間は感覚が変わってしまうが、AIは客観的に判断してくれる。個人個人のデータを解析して前と違う部分に気づかせてくれるのもAIの優れている部分。」だといい、ウェアラブルデバイスの活用を勧めました。
影山先生はAIを活用した心エコー診断の研究についても説明し、心アミロイドーシスという難病の早期発見にAIが役立つ可能性も示しました。

心不全予防の啓発活動の重要性と今日から私たちができること

木田先生は8月10日が「健康ハートの日」であることを紹介し、この日に関連した循環器病の啓発活動について説明。
今年で制定から40周年を迎え、全国47都道府県でライトアップイベントが予定されており、健康意識を高めるための様々な取り組みが行われるそうです。
セッションの最後には、登壇者からのメッセージが送られ、その中で小室先生は、
「心不全は怖い病気だが予防ができる」ことを改めて強調。心不全について知識を持つことの重要性を訴えました。
本田さんは、
「学んだことを周囲に広めること、また若い世代も含めて心不全について知ることが私たちの役目であり、課題でもあると感じました。」と心不全について学びを深めている姿が印象的でした。

心臓の健康、とりわけ心不全という疾患について考え、初期症状への気づきや生活習慣を見直すきっかけとなった今回の講座。
テクノロジーや AIがもたらす未来の診断、医療における活用の可能性についても知り、学べた貴重な機会となりました。

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