暑かった夏も終わり秋の季節が始まろうとしている昨今。過ごしやすい季節ではありますが、この季節ならではの肌悩みがあります。
秋は夏に受けた紫外線などのダメージや空気の乾燥によって乾燥肌のトラブルが起こりやすくなる季節。乾燥対策として保湿やスキンケアも重要ですが、「栄養バランスの良い⾷事」「適度な運動」「⼗分な睡眠」といったインナーケアが重要になります。
そこで今回は、ココメディカルクリニックの泉さくら先⽣に、乾燥肌の原因や対策に加え、美肌に必須の栄養素などを聞いています。
秋に注意したい乾燥肌の原因
泉先生いわく、秋の乾燥肌の原因は「夏に浴び続けた紫外線によるダメージ」と「空気の乾燥」が大きいそう。ここではその2つについて解説します。
1 夏に浴び続けた紫外線によるダメージ
夏の紫外線を浴びた影響で秋は⽪膚のバリア機能が低下しやすい状態。 紫外線は乾燥や肌荒れの他、シミ・シワ・たるみなども引き起こし、肌のターンオーバーを乱す原因に。ターンオーバーが乱れるとバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。
2 空気の乾燥
秋は外気や室内の湿度が低下しやすくなる時期。湿度が下がり空気が乾燥すると、肌の⽔分の蒸発が進み、乾燥肌を引き起こします。 また、エアコンの使⽤も乾燥肌の原因に。冷房は空気中の⽔分を外へ放出し、その際の気化熱で室温を下げるため、室内の湿度が下がり結果的に肌は乾燥します。
乾燥肌への対策
乾燥肌対策で重要なのは肌のバリア機能。これが正常に働いていると肌の⽔分を保ち乾燥を防ぎます。バリア機能を守るには保湿や正しいスキンケアを行い、外部刺激を避け、 睡眠や栄養バランスの優れた⾷事を続けることが大切。これによりターンオーバーが整い、肌が乾燥しにくくなります。なかでも肌に⽋かせない栄養を摂ることは重要です。
乾燥肌対策に欠かせない栄養素とは
肌に⽋かせない栄養を摂ることが重要ということですが、泉先⽣がおすすめするのが「B2、B6、ナイアシン(B3)」といったビタミン B 群。ここではその3つの栄養素について解説します。
ナイアシン(ビタミン B3)
ナイアシンには⽪膚の炎症を抑える作⽤があり、ニキビや⾚み、肌の刺激を和らげます。保湿効果にも優れており、セラミドなどの細胞間脂質の産⽣を促し、⾓質層をセラミドが満たすことで、バリア機能が働きます。また、肌が⽔分を保つ⼒も⾼まり、乾燥や肌荒れを起こしにくくなるという効果も。
ナイアシンが摂れる⾷材
ナイアシンは特に⿂、レバー、⾁に豊富に含まれます。熱に強い⼀⽅、⽔には溶けやすいので、加熱や煮汁ごと⾷べられる調理⽅法がおすすめです。
ビタミン B2
ビタミン B2 は糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産⽣に関わり、⽪膚や粘膜、 髪などの細胞の再⽣に役⽴ちます。脂質代謝を助ける役割があるため、ビタミン B2 が不⾜すると肌のバリア機能が低下し、乾燥が原因の肌トラブルや過剰な⽪脂分泌などを招く可能性があります。
ビタミン B2 が摂れる⾷材
ビタミン B2 はレバーやうなぎ、⾁、⿂、アーモンドなど幅広い⾷材に含まれます。肌のターンオーバーを促す働きを期待する場合には、タンパク質やコラーゲン⽣成を促すビタミン B6 と⼀緒に摂るのがおすすめ。また、⽔溶性であるのため尿と⼀緒に排出されやすく体内にとどまりにくい性質なので、こまめに補給することが⼤切です。
ビタミン B6
ビタミン B6 の代表的な働きは「タンパク質」「脂質」「炭⽔化物」の代謝です。加えて⽪脂の分泌をコントロールする役割も担っているので、肌の健康には⽋かせない栄養素です。⽪脂が正常に分泌されると乾燥肌が改善し、ニキビや吹き出物も出来にくくなります。肌のバリア機能も向上するので、冬の時期でも調⼦よく過ごすことができます。
ビタミン B6 が摂れる⾷材
ビタミン B6 は⽜、豚、鶏⾁、レバーや、⿂の⾚⾝、ひまわりの種やピーナッツなどの種実類に多く含まれます。⽔に溶けやすく酸や光に弱いため、冷凍⾷品や加⼯⾷品で取り⼊れると効果は減少してしまうので、刺⾝など新鮮な状態で摂取することをおすすめします。
また、食事だけでは不足しがちな際はサプリメントなども効率的に摂りい
今回はココメディカルクリニックの泉さくら先⽣に、乾燥肌の原因や対策、摂取するべき栄養素などについて伺いました。これらを参考に、これからの季節も肌のトラブルに悩まされずに過ごしていきましょう。
ココメディカルクリニック院⻑・泉さくら⽒
⽇本⽪膚科学会⽪膚科専⾨医
琉球⼤学医学部卒業/東京⼤学医学部附属病院⽪膚科・都内美容⽪膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。⼀般⽪膚科、美容⽪膚科、アレルギー外来、⼥性外来を⾏い、近代⻄洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて⾏う統合医療を積極的に取り⼊れている。