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【パリ五輪に向けた大事な国内戦】世界選手権出場をかけた戦い!第5回日本スケートボード選手権大会

2022.11.28 18:00
マガジンサミット
エンタメ
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新潟県の村上市スケートパークにて、第5回マイナビ日本スケートボード選手権大会が開催され11月26日に行われたストリート種目で小野寺吟雲(12歳)と伊藤美優(15歳)が優勝。27日に行われたパーク種目では永原悠路(17歳)と草木ひなの(14歳)がそれぞれ優勝した。
大会は2024年度のパリ五輪選考大会に向けた強化指定選手&アジア大会派遣選手を選考する重要な大会となっており、各種目上位5名が代表の座をつかんだ。
ストリート男子は2位に池 慧野巨(21歳)、3位に山附明夢(17歳)、4位に根附海龍(19歳)、5位に佐々木音憧(15歳)が入賞。
ストリート女子は2位に織田夢海(16歳)、3位に西矢椛(15歳)、4位に赤間凛音(13歳)、5位に上村葵(13歳)が入賞。
パーク男子は2位に笹岡健介(23歳)、3位に栗林錬平(17)、4位に三竹陽大(10歳)、5位に猪又湊哉(13歳)が入賞。
パーク女子は2位に菅原芽依(15歳)、3位に菅原琉衣(13歳)、4位に長谷川瑞穂(12歳)、5位に溝手優月(16歳)が入賞。
ストリート種目は45秒間コース内を自由に滑走し技を披露するランを2本行い、どちらか最高得点を採用。その後、ベストトリックと呼ばれる1発技を5本行い、上位2本を採用(いずれも10点満点)。最終的にランとベストトリックを合わせた得点で順位が争われる。
パーク種目は45秒のランを3本行い、一番得点の高かったスコアで順位が決まる。パリ五輪出場を目指すスケーターにとっては今年最も大事な大会となる日本選手権を取材し、今の日本のスケートボードのコンテストシーンに迫ってみた。

【群雄割拠の男子ストリート】

小野寺吟雲/ダブルキックフリップフロントサイドボードスライド(9.37点)
男子ストリートは世界的に権威のあるコンテストTampa AM(タンパアマ)優勝者が3人、青木勇貴斗(東京五輪出場者)、根附海龍、
池田大
暉と、タンパアマ準優勝者が2人、池 慧野巨(第2回日本選手権優勝者)、
小野寺
吟雲などが出場。誰が優勝してもおかしくない、まさに群雄割拠となった戦いの中、今大会抜きに出た存在感を見せたのが12歳の
小野寺
吟雲だった。
正確無比なデッキコントロールから繰り出される、キックフリップ系のトリックを武器に、ベストトリックでは9点台を連続メイク。初出場にして最年少で優勝を手にした。
池 慧野巨/この日最高得点9.63点を獲得した、ノーリービッグスピンバックサイドテールスライド
2位の池 慧野巨は普段トリックを行うのとは逆のスタンスで行う、スイッチやノーリートリックでベストトリックでは9点台を2本メイク。ランではフルメイク(ノーミスで滑りきる事)する事が出来なったが、ベストトリックで巻き返し準優勝に輝いた。
インタビューでは、世界大会で東京五輪金メダリストの、堀米雄斗と戦えるのが楽しみと話し、「堀米選手がSLSで見せたトリックを今大会でいくつか披露していましたが、何か意識していたのですか?」という質問に対して「いや、俺が先にやりました」と笑顔で話し、スケートボードファンにとっては来年からの世界大会が楽しみなインタビューとなった。
山附明夢/フロントサイド180スイッチKグラインド
スケーターなら誰もが羨む完成度の高いスタイルが持ち味の山附明夢は、ランで8.83点の高得点を獲得すると、ベストトリックでも9点台を獲得し3位に。

【第5回日本スケートボード選手権・男子ストリート結果】

1位・小野寺 吟雲
2位・池 慧野巨
3位・山附 明夢
4位・根附 海龍
5位・佐々木 音憧
6位・渡辺 星那
7位・長井 太雅
8位・甲斐 穂澄

【国内戦だがレベルは世界選手権!女子ストリート】

伊藤美優/ハードフリップ
女子ストリートはX Games優勝やSLS(ストリートリーグ)スーパークラウンを制した経験を持つ西村碧莉(東京五輪出場者)が準決勝で敗退。決勝は東京五輪メダリストで、SLSでも活躍する西矢椛と中山楓奈、SLS最高得点の記録を持つ織田夢海など、世界トップクラスの争いとなった。
ここで大活躍したのが、昨年の日本選手権3位で今年の日本オープン2位だった伊藤美優。ベストトリックで見せたステア(階段)でのハードフリップ(板を空中で横に半回転、縦に1回転させる技)で見事に優勝の座を掴んだ。
インタビューではマライア・デュラン(X Gamesなどにも出場するアメリカの人気スケーター)のハードフリップが憧れと話し、ランで見せたキックフリップもまさにマライアのように、完璧な足の抜き方をしたキックフリップを披露していたのが印象的だった。
織田夢海/キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド(女子最高得点の7.43点)
西矢椛/Kグラインド ノーリーヒールフリップアウト

【第5回日本スケートボード選手権・女子ストリート結果】

1位・伊藤 美優
2位・織田 夢海
3位・西矢 椛
4位・赤間 凛音
5位・上村 葵
6位・杉本 二湖
7位・中山 楓奈
8位・北野 朝戸

【メディアの注目No1男子パーク】

永原悠路/キックフリップインディ
男子パーク種目は何といっても、平野歩夢選手にメディアの注目が集まった。五輪出場の平野歩夢、昨年の日本選手権王者の笹岡建介、今年の日本オープン王者の永原悠路、さらに彼らの後を追う10代の超若手選手の高難度トリックで、無観客のパーク内が湧いた。
優勝した永原悠路は、高いエアから繰り出す難易度の高いトリックはもちろんだが、次へのトリックに繋げる為の完璧な着地も印象的だった。競技終了後のインタビューで、今回成長した点は「滑りのでかさ」だと話した。
今年4月に日本で開催されたX Gamesに出場し、男子パーク種目で日本人最高の4位に入賞したが、その時に比べて一つ一つの動きと全体的なトリックのでかさを上げられたと話し、これはアメリカのサンディエゴで、自身がサポートを受けるH-STREET(エイチストリート)の社長の家に泊めてもらい、10から15くらいのスケートパークを回り2か月修行したおかげだとも話した。
※永原はアメリカの老舗デッキブランドH-STREETからプロモデルを出している
今後の大会では今大会でメイク出来なかった新たな技、フリップバックサイドリップスライドを見せたいと話していた。パーク種目、男子日本勢はまだまだ世界のトップから見れば上位に食い込むには手が届かない面があるが、今後の世界大会での活躍に大いに期待したい。
笹岡建介/ステイルフィッシュ
決勝では2本のランでミスが続き、後がない状態での3本目のランで見事にフルメイクのランを見せた笹岡建介。
栗林錬平/スーパーマングラブ
誰もやらない技のオンパレード、それでいてすべてのトリックの完成度が非常に高かった栗林錬平。
栗林錬平/ベニハナ
唯一無二の引き出しの多さで会場でも一際目立つ滑りを披露し、見事3位に入賞した。
平野歩夢/バリアルキックフリップインディ
膝の内側靭帯の怪我で、準決勝に出場出来るかどうかも当日までわからない状態だったが、見事に今大会を滑りきった平野歩夢。テレビなどメディアの前では一切見せなかったが、競技終了後に帰りの階段で足を引きずって降りる姿に、準決勝・決勝(フルメイクは出来なかったが)で滑りきった姿が信じられなかったと共に、彼のハートの強さを感じた。

【第5回日本スケートボード選手権・男子パーク結果】

1位・永原 悠路
2位・笹岡 建介
3位・栗林 錬平
4位・三竹 陽大
5位・猪又 湊哉
6位・岡田 光瑠
7位・平野 歩夢
8位・徳田 凱

【次世代が台頭するパーク女子】

草木ひなの/バックサイド540
パーク女子は世界大会でも結果を残し、メキメキ頭角を見せる藤井雪凛や、昨年の日本選手権、今年の日本オープンを制した草木ひなのが優勝候補として注目を集める中、優勝は高難度&高いエアで他を圧倒した草木ひなの。昨年の日本選手権、日本オープンに続いて3連勝を果たした。
2位と3位に輝いたのは地元、菅原姉妹。
草木ひなの/写真ではわかりにくいが、珍しいトリックのサランラップ
インタビューで草木は、今年の7月にアメリカに遠征に行っていた時、540の練習中に手首を骨折していたと話し、一緒にアメリカに同行していた永原悠路が(昨年6月)540で大腿骨開放骨折という大怪我から見事に復活した姿を見て、勇気をもらえたと話した。
大会で成長したポイントを聞かれた際には、540の時に(着地で深く)しゃがんでいたけど、今は立てるようになったと話し、その理由は高さが出るようになったからだという。アーリーウープ(飛びやすい方向と逆の方向に飛ぶ技)のサランラップエアに関して質問すると「誰もやらない技だから毎回やる」と話した。
菅原芽依/ボンレス
菅原琉衣/フロントサイドロックンロールスライド

【第5回日本スケートボード選手権・女子パーク結果】

1位・草木 ひなの
2位・菅原 芽依
3位・菅原 琉衣
4位・長谷川 瑞穂
5位・溝手 優月
6位・藤井 雪凛
7位・武田 星
8位・小川 希花
 
写真・文 小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家兼スケーター。
10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。
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