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「中医学」で多くの人の健康を守りたい!経営が傾いてもその想いを貫き、信じ学び続けたらそれ以上の飛躍が待っていた


株式会社健禄
土井 雅雄 代表取締役

土井:「悩んでる人、困ってる人に「中医学」をもっと教えてあげて助け船を出してあげたい。」

ナレーション:セミナーでの啓蒙活動に魅せられ飛び込んだ健康食品業界。立ち上げた会社が震災を機に、中国の伝統医学を取り入れることに。急な方針転換で会社は空中分解。危機に直面した賢者の選択とは。

中国四千年の歴史が育んだ伝統医学「中医学」。兵庫県芦屋市に本社を置く健禄はその中医学の知識をもとに自然由来の生薬を使った健康食品やサプリメントの製造・販売を行っている企業だ。商品は何も上海中医学大学で研究されアメリカ食品医薬品局 FDAの基準をクリアした、世界最高水準の製薬会社で生産されている。  

土井:「よそにないものが当社にあります。100%漢方薬しか入っておらず、添加物も入っていません。いろんな西洋医学の薬を飲んだりサプリを服用したりしたけれど、もう一つだなぁという人が沢山いらっしゃいます。そういう人たちに当社の商品に出会ってもらいたいです。」

ナレーション:誰もが健康を謳歌できる手助けをしたい。健康食品を手がける賢者の原点は小学校2年の体験にある。それはあまりに早すぎる父親の死だった。

土井:「私の父親が腎臓病で亡くなり、母親一人、大変な思いをしています。普通の家族とは全く違う状況になってしまうわけで、病気が人生を狂わすんだなと思いました。」

ナレーション:病は幸福な人生を奪ってしまう。健康の大切さを幼心に刻んだ賢者だったが大学では工学部に進学。有名企業への就職も内定していた。そんなある日、思わぬ出会いが人生を一変させる。

土井:「当時としては珍しい、健康食品、自然食品を中心に販売する会社でした。健康のいろんな知識を啓蒙していくセミナー形式がものすごく斬新で、このようなことをやってみたいなと思いました。長い将来この会社があるのかどうかという不安はありましたが、とにかく思い切って飛び込めという気持ちで入りました。」

ナレーション:かつて胸に刻み込んだ健康への強い関心から安定が約束された未来を捨て、思い切って飛び込んだ畑違いの分野。空き時間を見つけては図書館や書店に通い、独学で健康学の知識を身につけると着々とステップアップしていった。そして平成と年号が変わった1989年、賢者は周囲に背中を押される形で独立へと踏み切った。だが順調に進んでいたあゆみは自然の猛威によって止まることを余儀なくされる。

土井:「10年くらい経った頃に阪神大震災がドカンとやってきたんです。私どもが力を入れたのは自然食品やお野菜の宅配です。宅配業やってるエリアがこの阪神エリアで、ちょうどそこに地震がきたため宅配が一瞬にしてできなくなりました。売上がゼロで社員に給料が出せず、社員ももらえないのが分かっている中で動いていました。」

ナレーション:大赤字という逆境。そんな中で賢者は道を決定づける想いに気がつく。

土井:「震災から今までの間、支えてくれた会員さんがたくさんいらっしゃったんですが、震災の後から精神的にも疲弊して体の調子も落ちてきたんです。」

ナレーション:震災以降、精神的なダメージから体調を崩しがちだった会員。今まで支えてくれた人々を救いたい、その一心で賢者が決断したのは、一度経営の前線から離れ、大学で中医学を学ぶことだった。

土井:「上海中医学大学の先生が中医学を勉強しませんか?と当社にこられました。そうすることで道が開けますよというお誘いでした。今このチャンスを逃すと、私は二度と中医学を勉強するチャンスは巡ってこないなと思ったんです。思い切ってとにかく入学しますと決めました。」

ナレーション:再び思い切って飛び込んだ次なるステージ。ところが会社経営から遠ざかった影響は想像以上に大きく、急激な方針転換によって従業員との間には大きな溝が生じ、その数は40人から15人にまで激減。不協和音が生じた会社は業績を見る見るうちに悪化させていった。このままでは会社が潰れる。勉強を続けるべきか、やめるべきか逡巡する賢者の背中を押したのは苦境を支えてくれた会員への感謝の気持ちだった。

土井:「自分が中医学を勉強しているのは何のためかなーと思った時に、助けてくれた目の前の会員さんをちょっとでも良くしたいというところからの発想でした。会社が潰れるからやめていいのかなと考えた時に倒産しても成し遂げるべきかなと思ったんです。」

ナレーション:決して簡単ではない、五十歳を過ぎてからの挑戦。それでも賢者は2004年に見事大学を卒業。続いて行われた試験で国際中医師のライセンスも取得した。西洋医学に基づいた健康食品から中医学を軸としたサプリメントへ。講演会やラジオ番組への出演など地道な啓蒙活動を通じて、その認知を拡大していき、徐々に結果にも結びつき、徐々に会員数を増やすことに成功した。

土井:「私がやるのはこの中医学という素晴らしいものを皆さんに理解してもらって、その考え方に則って、大学で考えて作ってもらったものを皆さんに飲んでもらって良くなってもらう。この啓蒙こそが私の天命だなと思って中医学のセミナーをずっとやってます。」

ナレーション:恐れずに行動を起こすことで、切り開くことができた新たな道。賢者が突き進むその先に目指す未来が待っている。

土井:「治らなくて困ってる人がいっぱいいます。なんかの形で当社にたどり着いて、自社製品を飲んでもらうことで健康の手助けをしたい。これが私の使命だと思っています。」

ナレーション:日本を背負う若者へメッセージを最後に語った。

土井:「日本に生まれた、日本人であるということにプライドを持ってもらいたいんです。良い国に生まれたんだ、良い国の国民なんだ。だから良い仕事をしたい。良い仕事をしようというのが一番大事なとこです。そして自分の気持ちを上げてください。もし皆さんが仕事してる時に気が下がるとミスをするわけです。これからはプライドを持ちながら気持ちを上げて頑張って生きてください。」

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